お店づくりの予算を妻へ相談

10月8日

 
夢を叶えるための予算が足りない…。
ボクは、妻に相談する決意をした。
まあ、簡単に言うと「足りない分をヘルプ！」という
妻へのお願い。

新しく始めるラーメン屋のコトねんけど

うん、うん。ラーメン屋に本気で挑めそう？
覚悟あるんやったら、応援するよ

うん。実はけっこうコトスタイルさんにも相談してて…
物件も見せてもらったりしてる。
ただ、ボクの希望が、マチナカの駅チカやから予算オーバーで…。自己資金が足りへんねんな…

いやいや、予算内におさえてもらわんと。
マチナカの駅チカって、そんなにこだわる？

…まあ、できれば…。前からの夢やし…

そもそもラーメンつくるっていうのが、ほんまに夢なん？
そば屋じゃなくて、ラーメン屋になりたい理由ってなに？

う…穴澤さんからの質問と同じ…。
また返答に困ってしまう。
実は、まだ事業計画書の動機の欄も埋められていない。
 

そして、長い沈黙。
 
もうストレートにお願いするしかないな。

いや、そういう話をしようとしたんじゃなくて…
自己資金が足りへんから
もしパート代の蓄えがあったら、協力してもらいたいなあと思って

 

こんどは妻が沈黙。
 
なので、もうひと押し。ちょっと泣き落とし。
 

ラーメン屋をオープンしたいっていうボクの夢
応援してくれへんかな？

 
 

妻は、大きくため息をついて
何も言わず部屋から出て行った。
 
 
 
 

返事待ち

10月16日

妻は、なんだかんだ言っても、
蓄えを差し出してくれて
「がんばれ！」と言ってくれる気がしていた。
でも、1週間たってもそんな気配はなく、
それどころか、必要最小限の伝達事項しか
しゃべってくれなくなった。
相変わらず、パート先での妻は、忙しくパンを焼いているようだ。
 
 
 
 

新物件の紹介

10月19日

穴澤さんから、ちょっとイイ感じの物件紹介があった。
駐車スペースないけど、これだけ駅チカなら問題ないかもしれない。
そうだ！　妻にも声をかけていっしょに内覧すれば、
前向きに検討してくれるかも。名案！
 
 
 
 

妻の夢

10月21日

…名案と思ったのも束の間、
えらい展開になってしまった…。
妻があんなに感情的になるのは、はじめてのことかも。

ラーメン屋になりたい理由をアツく語れないなら、
応援できない。
予算オーバーはぜったいダメ。
わたしのお金もアテにしないで

 
 
冷たすぎる…。
 
 

え、じゃあ、ボクの夢はどうなるの？

 

つぶやいた瞬間、そばにいた息子と目があった。
 
 

は？　じゃあ、母ちゃんの夢はどうでもいいの？

 

ちいさい声がハッキリ聞こえた。
そのまま、息子は部活へと出掛けて行った。