2018年3月、京都の台所・錦市場から少し南へ下がったところにオープンした「BAR DOTs」。
店主の山田翼さんは、高級ホテル「ヒルトン大阪」のスカイラウンジで3年ほど働いたのち独立。以前は、研究施設で働いていましたが、東日本大震災をきっかけに、本当に自分のしたいことを考え始めたと言います。そして、「自分でバーを始めたい」という本来やりたかったことに気がつき、退職。
ホテルのバーでの修行期間を経て自身のお店を持つまで、どんな準備を進めてきたのか、その経緯について、またお店を始める上でこだわったことなど伺いました。
今回は全3回に分けて、ご紹介します!
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会社員からのBARのオーナーへ
お店を始めようと思った理由とは
——このバーは2018年3月16日にオープンしたばかりと聞きました。お店を始めるまでは、何をされていたのでしょうか。
山田さん:
ホテル「ヒルトン大阪」のスカイラウンジでバーテンダーとして3年ほど働いていました。その前は、研究施設に勤務する会社員で、リチウムイオン電池の開発をしていたんです。でも、会社員をしていた29歳のときに東日本大震災があって、それから自分のこれからの人生や、仕事についても考えるようになりました。
その頃は、ルーチンをこなすような感覚で仕事をしていたこともあって。そこで元々好きだったバーを始めたいと上司に相談したところ、「まずは1年間、必死で今の仕事に打ち込んでみたらどうか」と提案されました。1年間やってみて、それでもバーがしたいなら、すればいいと。
それで1年間、これまでにないくらい本気で仕事に打ち込んでみた結果、どうしても「自分のやりたいことをしたい」という思いは消えず、会社を辞める決心をしました。
——そうだったんですね。山田さんにとって、なぜ「バー」だったんでしょうか?
山田さん:
バーの魅力は、お店にこられたお客さんが、年齢も立場も一切関係なく、横の人と対等に会話できることにあると思います。私自身、お酒も好きなのですが、それよりもバーが持つ「場」の魅力に惹かれて、よく遊びに行っていたんです。
そこでいろいろな人との出会いもありましたし、繋がりもできて、ときにはバーで出会ったおじさんにお酒をごちそうになったりもしました。見ず知らずの人にごちそうしていただいた総額は結構なものになると思います(笑)
そうした文化がすごく好きだったので、自分でもバーをやってみたいと思っていました。バーの主役はお酒ではなくて人だと私は思っています。お酒を媒体に人と人が出会える場所。大人のための社交場といいますか。なので、お酒が飲めない人にも積極的に来てもらえる場でありたいなと思っています。
——なるほど。お酒を飲むためだけではなく、そうした人との交流が楽しめるのがバーなんですね。
さて次回は、リフォームをどのように進めていったのか、内装で特にこだわった点などについてお話を聞かせてもらいます!
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