京都の台所、錦市場から少し南へ下がったところにオープンした「BAR DOTs」。店主の山田翼さんが、バーをオープンするにあたり「数あるバーの中でも個性を持ちたい」と取り入れたボードゲーム。どのような思いがあったのでしょうか? 詳しくお話を伺いました。
ほかのバーにはない、強烈な個性を持つために
ボードゲームを取り入れています。
——こちらのお店では、ボードゲームも楽しめるそうですね。
山田さん:
はい。お店のコンセプトを考えたとき、数あるバーの中からここを選んでもらうためには、
ほかのバーにはない強みがほしいと思いました。
バーラウンジで働いていたときに、師匠と話したのですが、バーのお酒はおいしくて当たり前。カクテルのおいしいお店もいっぱいあります。その中で生き残って行くには、強烈な個性が必要だと。差別化を図る意味でも、何か個性が欲しいと思っていました。そこで思いついたのがゲームです。
今、ボードゲーム市場はこれまでの約5倍に伸びているそうで、注目されています。何より東日本大震災後、人の価値観も大きく変わって、仕事一辺倒だったのが、家族や友人と過ごす時間をもっと大切にしたいという人も増えてきました。
ゲームをしていると必ず相手とコミュニケーションを取りますよね。それがいいのか、うちの店では知らない同士のお客さんが仲良くなるのが、すごく早いんですよ。
今オススメのゲームは、フランスのクアルトというボードゲームです。4種類のコマを形や色、穴のあるなし、高さのいずれかで揃えて、直線状に並べれば勝ちというシンプルなものですが、1ゲーム10分ほどで終わり、サクッとできるのがいいんです。場所も取りませんし、カウンターに置いていてもおしゃれなのが気に入っています。
こないだも全く知らない同士のお客さん7人がカウンターに座っていたんですが、ゲームを始めるとあっという間にみなさん仲良くなっていました。ゲームが人と人をつなぐ役目もしてくれているように思います。
——大人になってボードゲームをするのも新鮮な気がします。楽しそうですね!
山田さん:
ええ、皆さん楽しそうにやっています。ほかのお客さんがしていると気になるようです(笑)そうしてコミュニケーションをたくさん取ることができているせいか、楽しかった!といってリピートしてくれるお客さんも多いんですよ。ゲームがあることで、お客さんの心を掴むのが早まっているような気がします。
だからといって、ボードゲームに頼るのではなく、ここはあくまでバーなので、しっかりおいしいお酒は用意して、バーテンダーとしての役目もきっちり果たしたいと考えています。
フレッシュフルーツを使ったカクテルや、もう手に入らない幻のウィスキーも置いてありますし、ワインに関しても、ソムリエの資格を持っているので、とっておきのものをご提案できると思います。季節によっては桜を使ったカクテルなども用意していますよ。
——ゲームも楽しそうですが、やっぱりBARだけあってお酒も豊富。どれもおいしそうですね。
山田さん、お話を聞かせていただき、ありがとうございました!
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以上、3回に分けて山田さんのインタビューをお届けしました。
「BAR DOTs」はビルの2階奥にある隠れ家のような一軒。ビル内には飲食店も多数入っており、
ほかの飲食店とも協力して、ビル全体を盛り上げたいとも話してくれました。
InstagramやツイッターなどSNSを使った集客も功をそうしているそうで、
お話を聞いていると、お店はこれからさらに賑わいそうです。
山田さん、どうもありがとうございました。