地下鉄北山駅から徒歩10分ほど。閑静な住宅街が広がる下鴨エリアに、鮮魚加工品や干物を製造・販売する「京都 魚輝(うおき)下鴨店」がオープンしました。髙島屋京都店で30年以上営業されている同店ですが、今回の下鴨店が本店となります。
代表取締役の羽鳥浩一さんに、オープンまでの経緯や物件探し、改装工事について、じっくりお話を伺いました。
今回は、前後編に分けてご紹介します!
「いつか本店を京都に」
という念願がやっと叶いました。
――「京都 魚輝」は、髙島屋京都店の地下1階で長く営業されているのですね。
羽鳥さん:そうなんです。平成元年に先代社長が始めて、今でも営業を続けています。他にお店はなく、今回の本店がオープンするまでは、事務所は自宅がある大阪に置いていました。私がお店を継いだのが平成25年なのですが、その頃から「百貨店だけではなく、いずれは京都に本店を持ちたい」という想いはありましたね。
――以前は、魚の加工も京都髙島屋でされていたのでしょうか。
羽鳥さん:今も髙島屋店に置くお魚は髙島屋で、本店に置くものは本店で、別々に加工しています。毎朝、京都中央卸売市場で魚を仕入れて、それぞれのお店へ振り分けています。当店で取り扱うのは鮮魚ではなく、「朝開き」と呼んでいるあら塩のみで仕上げた独自製法の開きや、干物、西京漬けなどです。
――なるほど。こちらの物件は、どのように探されたのでしょうか。
羽鳥さん:物件探しは、私が会社を引き継いだときからずっとしていたのですが、なかなかイメージしているようなものには巡り会えなかったですね。こちらは、取引している銀行の方に紹介してもらいました。「いずれは京都のどこかに本店を持ちたいと考えている」と伝えたら、いくつか物件を紹介してくださって、ここはそのうちの一つだったんです。同じ通り沿いにある八百屋さんへ買い物に出かけた際、この物件が空いているを見つけたのだとか(笑)。
――決め手になったのはどんな点だったのでしょうか。
羽鳥さん:私たちが取り扱う商品が、地域のニーズにマッチしそうだと思えたのが大きいですね。このエリアは上質な物を求めて買い物をされる方が多くいらっしゃいます。同じ通り沿いのスーパーや八百屋さんを見て回ると、質が良くてこだわりのある商品を展開しておられる。ここなら、髙島屋店と同じ品質で展開しても大丈夫そうだなと。コインパーキングが近くにあって、買い物をする際の導線がいいのも魅力でした。
――確かに、このお店の両隣にはスーパーと八百屋さんがあって、買い物に便利な環境ですね!物件が決まったあと、コトスタイルに依頼されたのはどんな経緯だったのでしょうか。
羽鳥さん:コトスタイルさんのことは、たまたま私がWEBサイトを見つけたんです。物件が決まって、銀行から「施工会社で知っているところはありますか」と聞かれましたので、直接知っているわけではないけれど、WEBサイトを見たと伝えました。
最初は、銀行員の方がコトスタイルさんに連絡してくれて、銀行の応接室でお話しさせていただきましたね。穴澤社長から、デザインのことや完成までの流れなどをご説明いただいたのですが、それがとてもわかりやすくて。私たちも一から店舗を作るのは初めてですから、イメージがわかるのはありがたかったです。銀行から紹介された他社も含めて、2社の見積もりを取ったのですが、お話を聞いてコトスタイルさんに決めました。
――銀行って、そんなことまでしてくださるんですね!?
次回は、リフォームの様子や、内装のこだわりについてじっくりお伺いします!