京都の玄関口・京都駅から徒歩5分ほど。東本願寺の南側、七条通沿いのビルの2階にオープンしたのが「Germoglio(ジェルモーリオ)」です。オーナーは、京都のリストランテからキャリアをスタートし、本場・イタリアの名店でも腕を磨いてきた天谷彰吾さん。
独立を果たすまでの道のりや、自分のお店を始めるうえでこだわったポイントについて、詳しくお話を伺いました。
今回は、前後編に分けてご紹介します!
本場・イタリアでの経験を経て地元・京都で独立
――天谷さんはイタリアン一筋で現在に至っているとお聞きしています。独立されるまで、どんなお店でお仕事をされてきたのでしょうか?
天谷さん:
最初に働いたお店がイタリアンで、気が付けばずっとイタリアンのお店で働いていましたね。京都市内のお店で働くうちに本場を見たくなり、イタリアに渡りました。
現地では、ピエモンテ州やミラノのリストランテで経験を積み、リグーリア州では郷土料理も学びました。期間は合計で3年半ほどですね。
あちらは仕事をするときはしっかりするんですが、スタッフ同士でいろんな話しをしてコミュニケーションを密に取ったり、仕事が終わってから飲みに行くこともよくありました。メリハリがある働き方といいますか。そんな中で日本のこと、特に自分の出身地である京都の話をする機会がたくさんあったんです。日本=京都とイメージする方も多かったですね。スタッフもみんなとても興味を持って聞いてくれて。「自分で店をやるなら京都がいいな」と思ったのはこの頃です。
帰国後は、京都市内のイタリアンで働きながら独立準備を進めました。
――コトスタイルに最初にお越しいただいたのは、物件探しの時だったそうですね。
天谷さん:
そうですね。インターネットで物件を探しているとコトスタイルさんの記事がたくさん出てきまして。物件のこともですが、創業計画やお店づくり全般の相談にも乗ってくれるんだなと、興味をもったのがきっかけです。
最初は実家に近い梅小路公園周辺や京都駅の八条口あたりを探していたんですが、なかなか思うような物件が見つからなくて。この物件は地元の同級生の知り合いから紹介してもらいました。
――結果としては、ご自分で物件を見つけられたんですね。この場所にした決め手は何だったのでしょうか。
天谷さん:
京都駅に近い場所ということはずっと頭にありました。京都の玄関口で、海外の方や全国からも来てもらいやすい場所がよかったんです。
このお店が入っているビルは七条通に面していますが、お店の窓からは東本願寺の塀が見えます。この雰囲気がよかったのと、自分のやりたいスタイルのお店はこのエリアにないなと気づいたことですね。奇をてらったわけではなくてたまたまですが、このあたりの飲食店は居酒屋がほとんどで、しっかり食事ができるレストランは少ないんです。あとは、京都市中央卸売市場が近いのも魅力でした。
――物件を決められて、改めてコトスタイルにご依頼いただいたのはなぜだったのでしょう。
天谷さん:
やはり、最初の創業計画の段階から相談に乗ってくれて、一緒にお店づくりしましょうというスタイルが気に入ったからですね。物件は結果的にコトスタイルさん経由ではなかったんですが、内装からはお願いしようと。
――リフォームをする際、天谷さんからはどんな希望を出されたのでしょうか。
天谷さん:ローマにあるリストランテでかっこいいなと思っていたお店があって、最初にそのイメージをコトスタイルさんに伝えたのが始まりですね。古い建物を使ったお店なんですが、カウンターがあったりモダンで合理的な作りなんです。私のほうからイメージをいろいろ伝えて、それに対してコトスタイルさんから提案があってという流れを何度も繰り返しました。コトスタイルさんの事務所や、施工現場で何度も打合せしましたね。
居抜物件だったので当初使えるものはできるだけ使うつもりだったのですが、イメージを膨らませるうちにわりとガッツリ改装することになりまして。すでに物件を契約していたので、工期もすごく急いでもらったんです。
こうやって出来てみたら、うまいことなったなあって(笑)。
――シンプルな中にも温かみのある素敵なお店は、綿密なイメージのすり合わせによって生まれたのですね!
さて、次回は内装のこだわりや工事中のお話しについて伺っていきます!