大勢の人で賑わう繁華街・四条河原町からも
ビジネス街・四条烏丸からも徒歩で行ける好立地に
新たに喫茶店「peridot」をオープンさせる宮本裕子さん。
開店にかける熱い想い、開業に向けて苦労したことや、
店内の改装について、オープン1週間前というタイミングで
お話を聞かせてもらいました。
開業を考えている人に参考になりそうなお話が詰まっています。
(2017年3月17日取材)
====================
自分でお店を持てる自信がつくまで
本当の「好き」を見つけるためのまわり道
インタビュアー:
お店がある場所は繁華街からも近く、かといって賑やかすぎることもなくて、
ちょうどいい場所ですね。
宮本さん:
ありがとうございます。
何かのついでや通りすがりに入るという場所ではないと思うのですが、
駅から歩いてこられる距離ですし、お店に行きたいなと思った方が
気軽に来てもらえる場所だと思います。
ここは以前モロッコ料理店だったところで、そのお店が閉店されると知り、
閉店前に行かないと!と思って、一度お店に来たことがあったんです。
その頃、いつかは自分のお店を持ちたいと物件探しをしていたこともあって、
「閉店するということは、場所が空くということだ!」と後から思いついて(笑)
すぐにここの内見をコトスタイルさんにお願いしました。
コトスタイルさんは、人気飲食店の改装も手がけていましたし、
開業するためのノウハウをまとめた冊子を送ってもらっていたこともあって、
すごく信頼がありました。何より、社長さんはじめ
スタッフの方とやりとりがしやすかったので改装もお願いしたいなと思いました。
お店は自分一人でやりたいと考えていたので、広さと家賃、
場所も五条より北にあるといいなと考えていたので、本当にここはぴったりでした。
タイミングも良かったのだと思います。
インタビュアー:
こちらは喫茶店ということですが、
表の看板には「昭和・ベトナム・ポルトガル」と書いてありましたね。
宮本さん:
はい。私の好きなものを全て詰め込みました(笑)
調理師専門学校や製菓学校を経て、料理店やお菓子屋さんで働いていたのですが、
30歳のときお店を辞めて、いつか行きたいと思っていたポルトガルへ
一人旅に行ったんです。
リスボンから3週間かけてポルトガルを周遊したのですが、
都会過ぎず、少し田舎っぽさもあったせいか、すごく居心地が良くて
すっかりハマってしまいました。
私は京都出身で、リスボンも京都サイズというか、小さい中にぎゅっと詰まっていて、
自分たちを大切にする暮らしがとても魅力的に見えました。
ポルトガル菓子も、教会や修道院といった建物も大好きで
ポルトガルには「私の好きなものが全部詰まってる!」って思ったくらいです(笑)
ベトナムは、何か趣味を持ちたいと思ったときに、
ベトナム料理教室へ1年ほど通ったのですが、日本にある食材を使っていても
調味料が違うだけですごく美味しくて、すっかり魅了されました。
京都で人気のベトナムフレンチレストラン「スアン」で
アルバイトもさせてもらっていたんです。
そうやって、いろいろまわり道をしてきたのですが、
ようやく私の好きなものを見つけた!という自信がついて
「いつか自分でお店を持ちたい」と夢のように思っていたことも、
やっとお店が持てる!と自信が出てきたんです。
広く浅くですが、私がこれまでに見てきていいと思ったものを
このお店に詰め込んで、私の作ったお菓子や軽食などを味わいながら
気軽に楽しんでもらいたいなと思っています。
ベトナムの路地をイメージした壁紙に
昭和チックなフロアタイル
インタビュアー:
なるほど。
内装工事の際は、どのようなオーダーをしたのですか?
宮本さん:
クロスや床はほとんど張り替えてもらいました。
前のモロッコ料理店は色鮮やかな内装で(笑)
予算が限られていたので、棚はそのまま使うなど、
使えるものは活かして工事をしてもらいました。
とにかく内装はシンプルに、あとは家具や小物などで
雰囲気が出せればいいなと考えました。
最初は漠然と、白やクリーム色にしたいと思っていたのですが
スタッフの方と話をする中で、
このカウンター上は、淡い桃色でも可愛いねという話になったり、
あとは、シンプルな内装の中にもアクセントとして
トイレのドアだけブーゲンビリアをイメージした赤紫色に塗ってもらったり。
ポルトガルもベトナムも共通してブーゲンビリアの花が咲くんですよ。
その花のイメージカラーで、一箇所だけ赤紫色にしています。
壁紙は結局クリーム色ではなく、コンクリートをイメージしたグレーにしました。
もともとあった棚の色に合わせたというのもあるのですが、
ベトナムには路地が多くて、
お店にもその路地感が出せたらいいなと思って選びました。
元々の壁には多少傷があったり、破れたりしているところもあって、
スタッフの方はすごく気を使って直しましょうかとも言ってくれたんですが、
私は全然気にしてなくて、路地っぽさが出ますし、
逆にちょうどよかったなと思ってます(笑)。
床には木目調のフロアタイルを貼ってもらいました。
今、カフェなどでは板のデザインが太いものが流行っているようなのですが、
私はちょっと懐かしい昭和チックなものが好きだったので、
あえて一番幅の細いデザインを選びました。
インタビュアー:
確かにちょっと懐かしい、昭和の家というイメージですね(笑)
宮本さん:
はい(笑)
カウンターの天板も、前はどっしり分厚くて
料理をがっつり食べられるようなイメージだったのですが、
喫茶店らしくカジュアルな印象にしたくて、薄い天板に変えてもらっています。
多少傷ついたり汚れたりしても、それが味になってくれたらいいなと。
椅子や家具などはアンティークショップのお店で購入したほか、
コトスタイルさんのお店「テンポカスタム」でも、
ペンダントライトに使うランプを購入させてもらいました。
インタビュアー:
入り口スペース、こぢんまりとしていて落ち着けます(笑)
オープンまであと1週間ですね。
宮本さん:
はい。お店で使う食器などは、前々から集めていたので用意は万全だったのですが、
外に置くゴミ箱とか、事務用品など、
細々としたものが足りなくて、あたふたしています(笑)
お店をしたときのことを考えて、あれこれイメージはしていたはずなんですが、
初めてのことばかりで。
でも、前のお店のお客様が通りかかったときに
「7〜8割の出来でオープンすればいいんじゃない」って言ってくださったんです。
お客様からしたら、それでも全然できていない印象は受けないし、
オープンしてから徐々に完成させていければ大丈夫と。
それを聞いて、ちょっと肩の力が抜けました(笑)
インタビュアー:
これからお店をオープンされる方へアドバイスをお願いします。
宮本さん:
オープンは来週なので、私も実質的なことはまだこれからなのですが(笑)
こうしてお店をオープンできることになったのは、
運とタイミングもあったからだと思います。
「やりたい」という気持ちが引き寄せてくれることもあるので、
自分に素直に自然体でやっていれば、
その思いに共感して助けてくれる人がきっといると思います。
インタビュアー:
なるほど。本日はいろいろなお話を聞かせていただき、ありがとうございました。
====================
お店では、宮本さんが手作りするポルトガルのお菓子や
ベトナムのバインミーなどを提供するほか、
ポルトガルの白ワイン「ヴィーニョ・ヴェルデ」、
今出川にある「カフェ デ コラソン」のコーヒー、
仙台から取り寄せる「ガネッシュ」の紅茶など
ベトナム・ポルトガル料理に合わせてセレクトしたドリンクもスタンバイ!
オープンが楽しみです。
宮本さん、ありがとうございました!
喫茶 peridot様の事例紹介ページは、こちらから御覧ください。