2024年10月17日でオープン7周年を迎える「焼肉ダイスケ」。
前回は、ご来店されるお客様層やコロナ渦で活用された補助金制度の事業についてお話を伺いました。
つづいては集客や他店との差別化、今後の方向性などについて、引き続きお話を伺います!
すべては美味しいお肉を提供するため
その想いはこれからも変わらない
——お肉の産地やランクなど、木原さんのこだわりが垣間見られ、また奥様が作られている自家製のアイスクリームやドリンクは素材にもこだわられていますよね。いい食材を提供するにあたって、経費面での工夫について教えてください。
奥様:当店のお肉は、カルビ系は近江牛、和牛は鹿児島、長野、佐賀などをメインに、主にA5ランクのものを使用しています。でもできるだけ手頃な価格で楽しんでもらえるようにしたいと思っています。
自家製のアイスクリームやドリンクは、すべてオーガニックのものを使っていて、そこは私の強い思いで一番お金をかけています!(笑) 砂糖は上白糖を使わず、甜菜糖を使っています。料亭で出してもおかしくない1個50円もする金柑をドリンク用に使ったこともありました(笑) 体によくておいしいものをお客様に食べてもらいたいので、食材は妥協しません。
木原さん:極力フードロスをしないようにしています。実際にほとんどロスがないんです。余すところなく食材を使い切ることで、無駄がなくうまく循環できています。例えばタンだと、タンの先の方は固くなってしまって焼肉には不向きなのですが、タンユッケにすることで美味しく食べていただけます。
——すごいですね!素材をすごく大切にされているのが伝わってきます。近隣にも焼肉屋さんが増えてきているように思うのですが、差別化で意識されているところはありますか?
木原さん:特別何か差別化を意識できているわけではないのですが、いかにお客様に喜んでもらえる空間やサービス、体験を提供できるかだと思っています。最近はモバイルオーダも増えてきましたが、いくら忙しくてもお客様と直接関わる時間を大切にし、スタッフが一体となって和気あいあいとした温かい雰囲気を作りたいと思っています。
そのためアルバイトのスタッフとも家族のような和やかな関係性を大切にしています。まずは僕たち夫婦が率先して、雰囲気作りをするようにしていて、こうしたらいいんだなと間近で見て学んでもらっています。ただテーブルに運ぶだけが接客ではなく、注文を聞いてお出しすることや、お客様に対して目配りや気配りをすること、そういったことすべてが接客ということをスタッフには伝えています。
——アルバイトの方への指導で気をつけていることはありますか?
奥様:もちろん楽しく働いてほしいのですが、言わないといけないことはきちんと伝えるようにしています。うちは忙しい時間帯は本当にスタッフ全員バタバタしていて、優先順をつけて臨機応変な対応をしないといけないし、頭も回転させないといけない。覚えないといけないことも多くて本当に大変だと思います。
それでも頑張ってついてきてくれて、成長してくれた子たちを見ると本当に感動しますし、希望の会社への内定が決まったと、いい報告をしてくれてとてもうれしいです!社会に出るまでの大切な準備期間なので、一人ひとりの個性を大切にしながら、少しでもこれからの糧にしてもらえるよう、私たちも全力でサポートしたいと思っています。
また当店のスタッフは、もともと家族でお客様として来てくれていた子も多くて、お店でスカウトしたりもしているんです。ご家族もお子さんの働く場所のことがわかっていいと思いますし、声をかけてきてくれた子は長い期間辞めずに働いてくれています。
——つづいて集客のことでお伺いしたいのですが、instagramやYouTubeで発信をされていますよね。その他何か集客において工夫されていることはありますか?
木原さん:instagramやYouTubeでの発信と、googleの最新情報のところにinstagramの内容を連動させているぐらいで、これといった集客をしていないんですよ(笑) instagramのストーリー広告をしようかなと思っていたこともありましたが、動画を作るのも大変で、できていないです(笑)
YouTubeは通販事業の一貫で「キハラフウフ」というチャンネル名で、2022年の11月から立ち上がったのですが、外部のディレクターさんに入ってもらって、配信のテーマについて相談しながら取り組んでいます。通販事業の紹介ではなく、あえて配信内容をお肉の捌きかたや僕たちのおすすめのお店紹介などにすることで、まずは興味をもってもらい、お店や僕たち自身のことを知ってもらいたいと思っています。
——YouTubeでは、お2人の仲睦まじい様子やお人柄が感じられてすてきです!
新規のお客様は何をきっかけにご来店いただいているのでしょうか?
奥様:実はリアル口コミでご来店いただくことが多いです。「同僚にここのお肉が美味しいよと言われてきました」とか「○○さんにぜひ行って!と紹介されました」とか「△△のお店のシェフにおすすめされたから来ました」みたいな。お客様が次のお客様へとつないでくださっています。
——6年9ヶ月お店をされる中でさまざまな経験をされてきたと思いますが、これからお店を始めようとしている人にアドバイスをいただけるとうれしいです。
木原さん:まずは不動産屋さんや施工会社さんに相談することが大事だと思います。ちょうど僕の友達にお鮨屋さんをはじめようとしている人がいて、相談に乗っているんですけど、コトスタイルさんに行ったらいいよ、と勧めています!
実際に自分が思い描いているものが、どれだけの予算でどんな風にできるのかというのは、自分だけではなかなかイメージしづらいと思うんです。相談する中で今まで漠然としていたものが、より具体的にイメージできるようになると思います。
コトスタイルさんは、開業にあたっての相談から物件選び、内装デザイン、施工、スケジュール管理など、すべてやってくれます。そのため開業準備に集中できます。
奥様:コトスタイルさんは、こんなこと言っていいかなと思ってしまうような小さなことでも、なんでも相談しやすいですし、何かあったらすぐに駆けつけてくれます。
以前、水漏れしてしまったときがあったんですよ。担当者の古谷さんは自分のモンキーレンチをわざわざ持ってきてくれて!どんなときも側で支えてくれる安心感があって、本当に信頼しています。古谷さんのことを家族の一員のように思っています!(笑)
最後にこれからのお店の方向性や今後チャレンジしたいことについてお伺いしたいです。
木原さん:まだ少し先の話になりますが、僕たちが60歳を迎えたとき、今の忙しさでは身体が持たないなと感じていて。もちろん、できる限り健康に気をつけて体力もつけて、今の形を続けたいですが、どうしても作業スピードは落ちてしまうと思いますし、今のようにはいかないのかなと思っています。
当店では、一番美味しいタイミングでお肉を食べてほしいという思いから、注文が入ってからお肉を切るようにしています。お客様に美味しいお肉を食べてほしい、このお店に来てよかったと心から思ってほしいという一心でお店をしているんです。なので大切にしたいものを大切にしようと思うと、おのずとお店のスタイルが変わることもあるのかなと思っています。例えば、カウンターのみのお席でコース料理1本とか!
奥様:お客様に喜んでもらうのと同時に、私たちのこれからの働き方についてもいろいろと模索していきたいと思っています。それに、もしもこの場所でカウンターだけのお店をすることになっても、とてもいい感じになる気がするんですよね!コトスタイルさんには引き続き見守っていただきたいと思っています!
——7年近く蓄積してきたお店の運営ノウハウは、これからお店をオープンする人にとっても、とても役立つ情報だと感じました。
「美味しいお肉を多く人に届けたい」という木原さんご夫婦の想いは、お客様を惹きつけ、これからも愛されるお店へとさらに進化していくのだと思いました。
貴重なお話をありがとうございました!
6年前の記事はこちら:https://www.kotostyle.co.jp/blog/archives/30183
「焼肉ダイスケ」さま HP:https://yakiniku-daisuke.com/