四条通に面し、烏丸駅からほど近くにある「焼肉ダイスケ」様。
グレーの壁に店内の様子がわかる開放的な窓。外観だけでは焼肉屋さんとは思えないほどスタイリッシュで、店内もおしゃれな空間が広がっています。
素材にこだわった絶品のお肉とスタッフ一丸となって作り出す和気あいあいとした温かい空間は、たくさんの人を惹きつけています。そんな焼肉ダイスケは2024年の10月で7年目を迎えます。
お店を開業した際にリノベーションについてインタビューさせてもらいましたが、今回はお店を運営していく中で培ったお店の戦略や集客、顧客づくり、また今後の方向性などについて、店主の木原大輔さんと奥様にお伺いした模様を、前編・後編の2回に分けてお届けします。
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オープンした月から早速利益が
2019年についてくれたお客様がいたから今がある
——オープンされてから丸6年が経ち、あと3か月ほどで7年目になるかと思いますが、これまでを振り返ってどうですか?
木原さん:2018年の10月にオープンしたのですが、2020年3月頃ぐらいまではおかげさまで好調で、ありがたいことにオープンした月からすでに利益が出ていたんです!ところが新型コロナウィルスが流行したことで一気に流れがかわり、かなりしんどかったですね。
営業していく中で、次に活かしていきたいことや、もっと工夫できるところが見えてきていて、手ごたえもつかみつつありました。ありがたいことに常連さんもついてきてくださっていて、ここからさらに頑張っていくぞ!という気持ちだったので、出端をくじかれました……。
——オープンした月から利益が出るって本当にすごいですね!ですがそこから一転大変でしたね。新型コロナウィルスの影響で当初予定していた計画から大幅に変更が必要だったのでしょうか?
木原さん:そうですね。ディナー営業の自粛や時短営業を余儀なくされ、通常運転ができなくなったので、なんとか気持ちを切り替えてできることはすべてやろうと思ったんです。テイクアウトやランチ営業、お弁当販売など、とにかく何でもしました。
ですが、ランチ営業では1人ランチの割合が多かったので、ロースターの数が足りず回転が悪くなってしまい断念しました。そこからはお弁当販売に絞り、時短営業などと組み合わせ、情勢を踏まえながら対応していきました。
そんな中でも2019年についてくれたお客様に本当に助けてもらったんです。会社のお弁当をまとめて発注してくれたり、アルコールが出せないときでも、アルコールなしでもいいからと快くお店に来てくださって、感謝してもしきれません。
——常連のお客様の存在は本当に心強いですよね。
コロナ渦では国の補助金などの支援があったかと思いますが、何か活用されたりしましたか?
木原さん:事業再構築補助金という制度を利用しました。この制度の利用条件のひとつに、今の事業とは別の新規事業であることが挙げられていて、一度諦めました。ですが担当の銀行員の方と話していく中で、店舗の2階にある空きスペースを活用し、いつかしてみたいと話していた焼肉のタレとお肉の販売を軸とした通販事業をしたらいいのではという話になったんです。
申請をするには事業計画書が必要となるので、それを作るうえで業者さんに依頼しようと思ったのですが、相当なお金がかかってしまうのでどうしようかと思っていたら、常連さんのお知り合いにコンサルの方がいらっしゃって、紹介してくださり無償で事業計書を作成してもらうことができたんです。
それに焼肉のタレを販売することになったのも、お客様からのタレを販売してほしいという熱烈なお声があってのことなんですよ!有機野菜と有機果物を使用した糖質オフの焼肉タレと醤油ダレの2種類を作りましたが、ここでもお客様に救われました。無事申請も通りコトスタイルさんに相談し、冷蔵庫や急速冷凍庫などを置けて作業ができる加工場を作ってもらうことになりました。
——実際にお店に来てくださっているお客様はどんな方たちなのですか?
木原さん:当初想定していたお客様は、烏丸エリアで働く30代から40代の方で、仕事帰りに立ち寄ってもらうみたいなイメージでした。ところが、仕事帰りの需要以上に徒歩10分圏内の近隣に住んでおられる40代~60代の方がメインのお客様でびっくりしました。その方たちは焼肉を日常使いしてくださっています。
逆に20代の方や学生の方は、記念日や誕生日などの特別なシーンで選んでいただいています。メニューにお肉ケーキというのがあるのですが、お肉でバラの形を作って見た目も華やかになるように工夫したら喜んでいただけたんです。大切なシーンで当店を選んでいただいていることがうれしいうえに、TikTokのリールにお肉ケーキをアップしてくれた方もいて!スタッフ一同、全力でお祝いのお手伝いをしたいと思ってお待ちしています!
——いろんなシーンで幅広いお客様に利用いただいているんですね!
最近はインバウンドのお客様も多いですか?
木原さん:現在は2019年以前と比べものにならないぐらい多いですね。コロナ渦の2~3年で、近隣のホテルも一気に増えました。その影響もあり、2023年から一気にめちゃくちゃ忙しくなって、僕たちもびっくり!はじめのうちは慣れない忙しさで、ちょっと余裕がなくなっていました…! 2019年も忙しかったのですが、もうそれ以上で、うれしい悲鳴をあげています!(笑) 売上自体も2019年から+150%の達成率でした。
1日で最低2回転、多いときは3回転するんです。日本のお客様はゴールデンタイムで利用される方が多いのですが、特にヨーロッパの方の食事の時間は、食文化の違いもあって20時や21時スタートが多いんです。そのため自然と海外の方がゴールデンタイムの前後で使用してくださっています。この回転率の高さが売上にもつながっていると感じています。
——それはすごい回転率ですね!
後編では集客や他店との差別化、今後の方向性などについて詳しくお伺いします!
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