2022 年7月4日にオープンした「イタリアカフェ ヤンム」。前回は、物件探しからコロナ禍でそれがストップしてしまったこと、ホールの改装についてお話を伺いました。今回は、リノベーションのメインとなった厨房についてお話を聞いていきます。
内装工事のことだけではなく、
精神的にも支えてもらいました。
——厨房のリノベーションでは、どんな希望があったのでしょうか。
淡路三郎さん:
居抜き物件だったため、厨房も活用できる部分がけっこうありました。なので、そんなには手を入れていないんです。ただ、一番こだわったのは、ガスのコンベクションオーブンでしょうか。当店は南イタリアの料理がテーマなのですが、気軽に立ち寄れるお店だけど、ちゃんと「おいしい」と思ってもらえる料理をお出ししたいと考えています。
熱のオーブンだと上下から焼くスタイルだと思うのですが、ガスオーブンの場合、温風で焼くので食材にムラなく火が通るんです。焼きムラがなく、まんべんなく焼けると、やはり料理のおいしさも変わってくるんです。どうしてもこのオーブンを設置したくて、そのためにガスの配管もやってもらいました。
——なるほど。オープンにはそんな違いがあるんですね。
淡路三郎さん:
そうなんです。あとコンロは二口。コンロの高さがオーブン台より低くなっているのですが、これは元々同じ高さになる予定でした。ですが、換気扇が予想以上に大きくて、飲食店を運営するにあたりクリアしなければいけない消防法の制限や規定があったので、換気扇の大きさに合わせて、コンロ台が少し低くなったんです。
換気扇の大きさも実際に取り付けるまでどのくらいあるのか、イメージしづらかったのですが、コトスタイルさんがマスキングテープで「ここの位置まで来ます」と視覚的に分かるようにしてくださったりしたので、完成後のイメージもしやすかったです。
初めて自分のお店を持つので、工事はもう分からないことだらけ。なので、スタッフの方に細かく相談にのってもらえたのは有り難かったですね。コトスタイルさんは、物件探しを始めた当初、不動産屋さんから紹介してもらっていたので、もう3年越のお付き合いになります。今回ようやくお願いできて、本当に良かったですね。
——そんな前から知り合っていたとは、長いですね〜。
淡路三郎さん:
そうなんです。ですが、実は相見積もりを取るために、コトスタイルさんとは別にもう1社相談していたところがありました。値段は2社ともそんなに違いはありませんでした。それならやはりコトスタイルさんにお願いしたいと思ったんです。
決め手となったのは、こちらの話をたくさん聞いてくれた上で、できないことはきちんとNOと言ってくれるところ。その上で「こういうことはできます」と提案をしてくれるんです。相談すると納得のいく答えをくれる。そうした姿勢がプロだなと感じました。スタッフの方は私よりずいぶん若いですけど、信頼できると思ってお願いに至りました。
——できないことはNOというけれど、意図を汲んで提案してくれるというのはうれしいですね。
淡路貞子さん:
ええ。融資を受けるときもずいぶん助けてもらいました。お店を始める際、貯金だけでは足りなくて、私たちは日本政策金融公庫さんに融資してもらうことにしました。創業企画書を提出して面談をしてもらったのですが、そこから実際に融資をしてもらえるかどうか、返事をいただくまで1ヶ月ほど時間があったんです。
そこで、コトスタイルさんから提案していただいた融資特約付きの契約(※融資の承認が得られれば契約が成立となる契約)を結びました。
当時やることがたくさんあったのですが、工事のことは任せて、ひとまず融資のことだけ集中して取り組めばいいという安心感はすごくありました。コトスタイルさんには工事のことだけではなく、精神的にも支えてもらったなぁと思います。おかげさまで融資は、ほぼ満額を出してもらえることになりました。
——お店をオープンしてから約2ヶ月経ちますが、いかがですか?
淡路三郎さん:
実際に営業を始めてみて、お店の設備や内装には不満はありません。ですが、やってみて初めて分かることがたくさんあるということは実感しています。ここは、立命館大学や同社大学からも近い立地なので、学生さんにもたくさん来てもらいたいと思っていたのですが、夏休みに入ってしまってそもそも学生さんがいないとか、価格設定を安くすれば学生さんにも来てもらいやすいかと思ったのですが、安ければいいということでもない…など、日々勉強です(笑)
まだお店は始まったばかりなので、試行錯誤しながら続けていきたいですね。
——淡路三郎さんは、これからお店を始めたいと言う方がいれば「いくらでも相談にのりますよ」とのこと。「私の経験が役に立つなら」と心強いお言葉。自分のお店を持ちたいという方、ぜひ「イタリアカフェ ヤンム」を訪ねてみてはいかがでしょうか。
淡路三郎さん、貞子さん、今回は貴重なお話をありがとうございました!