飲食店 日本料理と日本酒 惠史 様 ①

2020 年6月17日、ビジネスマンなどで賑わう烏丸御池から西へ徒歩約8分。落ち着いた雰囲気のエリアにオープンした「日本料理と日本酒 惠史」。

 

店主は老舗料亭「和久傳」で料理長も務めた保科知史さん。昨年末から物件探しを始め、リノベーションをしていた時期は、緊急事態宣言が出ていた2020年4月。意図せずコロナ禍でのオープンとなり、不安はなかったのでしょうか。お店のリノベーションについて、またコロナ対策について、前編・後編の2回に分けて保科さんに詳しくお話を伺いました。

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立地はあえて人通りの少ない

静かなエリアに決めました。

 

 

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——物件探しは、いつから始められたのですか?

 

保科さん:

昨年12月くらいから探しはじめました。コトスタイルさんのことはネットの検索で知り、サイトで過去に手がけた物件も見させてもらい「良いな」と思う物件も多く、今回お願いしました。

 

私のお店は、単価も考慮すると気軽に観光客の人が立ち寄るという感じではなかったので、街のど真ん中というよりは少し外れた、あえて人通りの少ない落ち着いたエリアで探していました。主に、自宅から通いやすい北野白梅町や、烏丸御池近辺で探していましたね。

 

——この物件にした決め手は何だったのでしょうか?

 

保科さん:

この物件の内覧に来たのは探し出して1ヵ月経った頃、年明けの1月でした。内覧をしたのはここで2軒目でしたが、なるべく早く…と考えていたこと、それに家賃や店舗の広さ、2階もあること、立地など、トータルで考えると過不足なく、すぐにここに決めました。

 

——そうなんですね。物件探しで苦労される方の話はよく伺いますが、とても順調に見つかったのですね。ここは調理設備などのある居抜き物件だったのでしょうか。

 

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保科さん:

いいえ、ここは築不祥の古い町家で、お店として営業はされていたようですが、飲食店ではありませんでした。そのため調理場の設備等、コトスタイルさんにはゼロからお願いしています。お店に立つのは基本私一人なので、調理も接客も効率よくできるようオープンキッチンにするというのが、第1希望でした。

 

——なるほど。厨房の工事については、他にどのように希望があったのでしょうか。

 

保科さん:

とにかく私自身あまり動かずに作業が出来るように、調理しやすい配置を自分で考えて伝えました。たとえば、私がカウンターの前に立って作業したあと、後ろを振り向いたらすぐにコンロがあるように。そうした希望を伝えたところ、コトスタイルさんが図面にして提案してくれました。実は、厨房部分が客席より少し低くなっているのですが、これはカウンター席に座るお客様と私が、ちょうど目線が合うように「低くしてはどうですか?」とアドバイスをもらったもの。オープンキッチンでは、お客様とのコミュニケーションはとても大事になってきますので、提案していただいて良かったです。

 

また、うちの店には、専用の炉と備長炭で食材を焼き上げる炭焼料理があるのですが、本当はその炉をお客様からもよく見えるカウンター前に設置したかったんです。ただ、そうするとコンロの上に配置したダクトとは別に、もう一つカウンター上にもダクトを作らないといけなくて。2つ設置するのは難しく断念しました…(笑)

 

——確かに、カウンター前で炭火で焼く様子が見られたら、魅力的ですね。

 

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保科さん:

そうなんです。そこは諦めて、大きなダクトをつけコンロの横に炉も並べて置いています。あと効率化を計るため、厨房には蒸し料理や焼き料理にも対応できるスチームコンベクションも取り入れています。

 

——なるほど。厨房はお一人で効率よく調理できる配置になっているわけですね。あと、お店に入ってまず目を引くのが、この杉の1枚板を使用したテーブルです。オープンキッチンに欠かせないカウンター席で、圧倒的な存在感を放っていますね。

 

保科さん:

ありがとうございます。このカウンターテーブルの杉板は、知り合いのツテのおかげもあって、本当に理想通りのものを手配してもらうことができました。奥行きもちょうどよく、厚みもありますし、長さもこの店にぴったりだったんです。

 

——そんな奇跡があるんですね!

 

保科さん:

本当にありがたいですよね。持つべきものは知りあいです(笑)

 

——店内の壁は砂壁になっていて、情緒があっていいですね。

 

保科さん:

ありがとうございます。実はそれ、砂壁に見えるクロスなんです。予算も上限があるため相談したところ、コトスタイルさんにリーズナブルなクロスを提案してもらったんです。あと、トイレの前の壁は後から作ってもらったものです。オープンキッチンで調理をしていると、トイレから出てきたお客様と目が合う可能性もあり、それだとちょっと気まずいですよね。それは避けたいなと思い、トイレとオープンキッチンの間に仕切り壁を作ってもらいました。

 

トイレの内装は、店内の和風な印象とはまた全然違うんですよ。

 

—ホントですね!トイレは大理石のような床と華やかな壁紙、まるでヨーロッパの宮殿のような印象です。

 

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保科さん:

トイレの内装は、お店の花を担当してくれている妻に任せたんです。

 

—トイレにす〜ごくキレイなお花が飾ってありました!店内にもいろいろなところに生花が飾ってあるのが、素敵ですね。

 

保科さん:

ありがとうございます。妻が花屋をやってまして、こうして飾っているとお花のことを聞いてくれるお客様も多くて、会話のきっかけになっています。

 

—それはいいですね。オープンキッチンですと、そうしたコミュニケーションを取りながらの食事が醍醐味ですよね。

 

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今回はお店の物件探しからリノベーションについて伺いました。後編では、オープン後どのように集客しているのか、コロナ禍での対策について伺っていきます!

 

>>>インタビュー②続編

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