2020年7月にリニューアルオープンした「こう庵」。
前回のインタビューでは、店主の本郷さんにリノベーションに至る経緯や、感染防止対策についてお話を伺いました。
今回は、リノベーションの全容や作業がどのように進んでいったのかなど、さらに詳しくお聞きしていきます。
細かいところまで相談に乗ってもらい
一つ一つ希望が叶う実感がありました
――感染防止対策として間仕切りを設置されたほか、どのようなリノベーションをされたのでしょうか。
本郷さん:
壁の色を、じゅらく調のベージュから黒に変えています。
開業当初は「明るいお店に」と思っていましたが、17年経つと考え方も変わってきます。しっとり落ち着いた雰囲気で、ゆっくり食事やお酒を楽しんでもらえる空間にしたいと考えていました。
――真っ黒ではなく、自然なムラ感があり光が当たると光沢を感じるのも素敵ですね。
内装工事はそうそう何度もできることではありません。新型コロナ対策だけではなく、思い切って雰囲気を変えて心機一転のスタートにしたかったんです。
エントランスの看板もコトスタイルさんにお願いしました。ロゴも変更しています。今までは「京旬菜 こう庵」という店名でしたが、新しい看板は「下鴨 こう庵」。開業当初はよそから来た者が地名を冠した店名をつけるのはおこがましいと思っていましたが、17年続けて地域の常連さんもいらっしゃるので、もうそろそろ使わせてもらっていいかなと(笑)。
前回のインタビューでもお話していた、理想とする寿司店の看板があったので、それに近いものをとお願いしました。上品で主張しすぎないけどパッと目を引くものができ、満足しています。
もう一つ、絶対はずせなかったのは店内の西日対策です。
――そういえば、このお店は西側に大きな出窓がありますよね。リノベーション前は、夏場はかなり暑かったのではないでしょうか。
本郷さん:
そうなんです。毎年梅雨明けごろからすごく暑くて…空調の効きも悪くなるので、悩みの種でした。
今回のリノベーションで、窓に遮熱フィルムを貼っていただき、ロールスクリーンも遮光性の高いものに変えました。おかげで、夕方の一番暑い時間でもしっかりクーラーを効かせられるようになりました。今年は特にひどい猛暑で、お客様からも「このタイミングで対策ができたのは正解だったね」と声をかけていただきます。
――お客様からもご好評いただいているのですね。リノベーションを進める中で印象的だったことはありますか。
本郷さん:
開業時にお願いした業者さんとはほとんど打ち合わせをした覚えがないのですが、コトスタイルさんとはかなり頻繁に打ち合わせをしたのが印象に残っています。
特に驚いたのは、クロスの張替えの際に、最初の見積時に使用する予定だった量よりも壁紙が少なく済んだとご報告があり、金額を下げた見積書を作ってくださいました。素人にはわからないことですし、黙っていることもできるはずなのに、すごく親切だと思いましたね。
工期も「コロナ禍で大打撃を受けているので、長期休業は避けたい」とお伝えしたところ、内装作業を先に行い、看板を後から設置することで希望どおりの2週間で再オープンすることができました。
本当にやりたかったこと、自分の希望が一つずつしっかり叶えられていると感じましたね。とても丁寧なお仕事をされていると思いました。
――何度も話し合いを重ねて、理想を叶えられたのですね。リニューアルオープンから1ヶ月ほどですが、手応えはいかがでしょうか。
本郷さん:
コロナ禍の収束もまだ先になりそうですし、今年は「命の危険がある」と言われるほどの猛暑。正直、お客様が完全に戻ってこられたわけではありません。ですが、やれるだけのことはやって、安心・安全にお客様をお迎えできる体制ができたのは前向きな一歩です。
地域の方への周知もこれからの段階です。暑さやコロナ禍がもう少し落ち着いた時に、今回のリニューアルが真価を発揮するのだと思います。
今回のリニューアルで、コトスタイルさんととてもいい出会いができました。資金の兼ね合いもあり、今回は客席部分だけの改装にしましたが、作業台など厨房で改善したい部分もあります。客足が戻って売上が落ち着いたら、またお願いしたいですね。
――ぜひ、よろしくお願いします!
本郷さん、本日は貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました!