2020 年5月1日にリニューアルオープンした生パスタと生ビールが自慢のお店「スケルツォ」。
前回は移転リニューアルについてのお話を伺いましたが、
今回は、オーナー土谷さんにウィズコロナでの飲食店の在り方についてお話を伺います。
ウィズコロナ時代の飲食店の在り方については
今もまだ試行錯誤中です
——緊急事態宣言が出ているとき、お店はどのように営業をされていたのでしょうか。
土谷さん:
緊急事態宣言が出されてから、まずディナータイムの営業をとりやめてランチタイムのみの営業にしました。店内でお昼ご飯をささっと食べることは許されても、店内でお酒を飲むというのは許されない雰囲気でしたからね。
あとは、ほぼ全てのメニューをテイクアウトできるようにしました。
もともとテイクアウトに適したパスタ麺を2種類採用していて、一部のパスタと唐揚げについてはテイクアウト販売をしておりました。容器などは大量にストックがあったため
他のメニューに関しても、すぐにテイクアウト対応できたのは良かったです。
パスタは賞味期限が短いので、お客様は電話やLINEで事前にご予約いただき、取りに来る時刻を伺ってちょうどその時刻にできあがるよう調理してお渡しするようにしていました。
またUberEatsによる出前販売も以前からやっており、緊急事態宣言中は特に多くのご注文をいただきました。テイクアウトやUberEatsでの売上は大幅に増えましたが、売上全体としてはかなり落ち込みました。そこはコストを厳しくコントロールして乗り切りました。
——なるほど。では、こちらに移転されてからの営業はいかがですか?
土谷さん:
コロナ対策をしながらのオープンでしたが、初日は、意外と大勢のお客様に来ていただき、うれしかったですね!
ですが、店のレイアウトが大幅に変わり、以前できていたことが、この店ではうまくできないということも。
以前はオープンキッチンだったので、調理中もお客様の様子はよく見えていたのですが、今回キッチンは奥にあり私が調理する間、客席の様子が分かりにくくなっています。
動線が変わったことにより、スタッフのオペレーションについても新たな対策が必要だと考えて、1週間ほど臨時休業をして検討することにしました。
おかげさまで、アルバイトに入ってくれる学生が皆すごく優秀で、デザインを専攻している学生にリニューアルの工事の際も相談したりしていましたね。
——それは頼もしい!チームでお店作りをしている感覚ですね。
土谷さん:
おかげさまで人には恵まれており、助かっています。
これからコロナ対策を店内でどこまで実施すればいいのか…迷ったので、
お客様に聞いてみようと思い、アンケートに協力してもらったりもしました。
●入店時に体温チェックを協力依頼する
●入店時にアルコール消毒を協力依頼する
●レジカウンターに仕切りのビニールシートを設置する
●テーブルの間に仕切りを設置する
といった質問に、82名もの方が答えてくださいました。
私自身、あまり対策をやりすぎるのも窮屈に感じてしまうので、どうかなと思っていたのですが「絶対にしてほしい」と「できればしてほしい」が50%を超えた項目は、入店時のアルコール消毒依頼(78.1%)のみでした。
その他の項目については「どちらでもよい」という意見がどれも40~60%と最も高かったので当店では各テーブルに仕切りを設置することまでは、しない方向でいこうと思っています。
——なるほど。実際にアンケートを取られて、お客様の声を聴いたわけですね。
土谷さん:
ええ。それらを踏まえて、今は、カウンター席にだけ仕切りのアクリル板を設置して、あとは、ロールスクリーンでテーブルを仕切れたらいいかなと思っています。
このロールスクリーンも元々は、個室感覚で食事を楽しんでもらいたいと思って設置していたのですが、結果コロナ対策もできて、ちょうどよかったですね(笑)
先日もタブレットを持ち込んでオンライン飲み会をされるお客様がいらっしゃったので、ロールスクリーンで仕切りをして、楽しんでいらっしゃいました。
——えっ!お店でもオンライン飲み会ができるんですね!?自宅でするイメージがありました。
土谷さん:
お店でもしていただけますよ。大勢で集まらなくても、タプレットさえ持ってきていただければ可能です。
当店ではWi-Fiも無料で繋げていただけますので、お店に来て美味しい食事を楽しみつつ、オンライン飲み会をすることが可能です。
——なるほど。それは新しいスタイル!お客様にも喜ばれそうですね!
土谷さん:
臨時休業の間に、他の飲食店もいろいろ行かせてもらって、どの程度の対策をされているのか?
お客さんの入りはどの程度なのか、勉強させてもらおうと思っています。
こちらの店舗に移転してから、烏丸通に面しているせいか、車で来られるお客様が増えました。
以前は車で来られるお客様はほとんどいなかったので、また違ったニーズへの対応も必要と考えてます。
あと新規のお客様も以前より多い印象で、現段階では移転してよかったなとは思っています。
このままコロナが終息するか不透明ですが、それでも常に一歩先を予測して試行錯誤しながら出来る対策をやっていい形で営業を続けていければいいなと思います。
——ウィズコロナの時代、飲食店の経営について悩むオーナーさんも多いと思います。
土谷さんのように、どうすればお客様に喜んでもらえるのか、常に試行錯誤されている姿は、こちらまで勇気づけられた気がしました。
土谷さん、貴重なお話をありがとうございました!