2020年2月22日にオープンした発酵カフェ「漬×麹 Haccomachi」。大勢の人でにぎわう京都の街中にあるからこその工事の難しさもあったそうです。今回は、1階の内装と外装リノベーションについて、店長の甲斐 彩さんにお話を伺います。
——1階部分のリノベーションについて教えてください。
甲斐さん:
以前のお店は、カウンター席があって、1階でも飲食できるようになっていたのですが、今回リノベーションをするに当たって、1階は厨房とテイクアウト、2階は店内席のスペースと分けることにしました。厨房部分だけ一段低くなっていた状態だったので、床のレベルを揃えるために、全部いったん床を取っ払って、貼り直してもらっています。
——全面床を張り替える!それはかなり大掛かりなリノベーションですね。
甲斐さん:
そうなんです。またお店にはスタッフルームがなかったので、新たに小さな部屋も作ってもらいました。ここには厨房内に置き切れなかった冷蔵庫も置いてあります。そのほか、厨房のカウンターは、作業する手元が見えないように、かつレジ台としても使えるような高さで設計してもらいました。
あとは、「漬ける」がお店のテーマの1つでもあるので、漬け込んだものを保存しておくための冷蔵庫が必要です。厨房では調理をする作業のほか、それらを置くスペースも必要でした。さらには作業スペースを広げたことにより電子レンジを置く場所がなくなり、急きょレンジ台も取り付けてもらっています(笑)こちらも工事を進める中で臨機応変にやっていただきました。
——限られたスペースの中でも、作業しやすいように工夫されているのですね。
甲斐さん:
ええ。収納スペースを確保するため、吊り戸棚も新たに取り付けてもらいました。表側の垂れ壁には黒板パネルをつけてもらい、ここには手書きでメニューを書き込めるようになっており、新情報をお知らせするスペースとして活用したいと思っています。
——なるほど。手書きは親しみがあっていいですね!こちらには珍しいタイプのライトがありますね。
実はライトの中に入っているのは、「種麹」なんです。ここに何か照明をつけたいと相談したところ、市販のガラス容器のライトがあると教えていただき、麹をいれて付けてもらうことにしました。
——なるほど、これはカスタマイズしたオリジナルの照明なんですね。1階全体が、白木が印象的な明るい空間となっています。
はい。1階は開放的で、道行く人にも中が見えるようにしていただきたいと思っていました。和風の印象に寄りすぎず、カウンターなどナチュラルな木目で統一するなど、和モダンな空間に仕上げていただき、大満足です。
また古くから「麹」が製造される麹室では、杉板が使われていることもあり、外観には杉板を採用しています。
——外観は昔ながらの麹室をイメージされているのですね。ロゴマークも可愛らしいです。
甲斐さん:
ありがとうございます。ロゴマークは、伝統的な麹づくりをモチーフにしています。若い男女が、蒸米に種麹をふっては混ぜ、3日以上の時間をかけて手作りしていく様子を切り取りました。
実はここ三条通り界隈では、景観条例もあり、外観を変えるときは京都市の許可が必要でした。地域の景観を保全する「京の三条まちづくり協議会」にも届け出をするなど、外観を新しくするにはいろいろと手続きが必要だったのです。素人にはなかなか分からないことが多かったのですが、それらすべてコトスタイルさんがまとめてやってくださったおかげで、工事の延期などなくスムーズにオープンにこぎつけることができました。
——京都は景観に厳しいですもんね。外観を変えるときにも届け出が必要なんですね。
甲斐さん:
そうなんです。外観に使えるカラー、使えないカラーなどあるそうで、その辺りはすべてコトスタイルさんにお任せでした。
——なるほど。お店の運営をするには、料理を提供するだけではない、いろいろなことに気を配らなければいけないのですね。
甲斐さん:
ええ、内装工事だけではない部分にも相談にのっていただけたのはありがたかったですね。カフェだけに終わらず、今後は物販のお店も考えており、物件が見つかり次第、またコトスタイルさんにご相談したいと思っています!
——そうなんですね。早くも次の展開を視野に入れていらっしゃるとは。次も良い物件が見つかることを願っています。甲斐さん、貴重なお話をありがとうございました!