2019 年10月25日、四条柳馬場を北へ上がった東側にあるビル1階にオープンした「黒カフェ」。佇まいはモダンなカフェながら、メニューやサービスは昔ながらの純喫茶を思わせます。
オーナーは千葉出身の長田さん。長田さんは千葉で本業があるため、カフェの営業については、大学時代からの親友だという店長・黒住正浩さんに任せています。学生時代は喫茶店でアルバイトをしていた2人。その頃から「いつかお店をやりたいね」と話していたそうです。そして昨年、ついに20年越しに夢を実現させました。
カフェ開店までにはどんな道のりがあったのでしょうか。オーナーの長田さんにお話を伺いました。
前編・後編の2回に分けてご紹介します。
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大学時代の親友と夢を叶えカフェをオープン
カフェ激戦区の京都で勝負をかける!
——長田さんは千葉出身だそうですが、なぜ京都でカフェをオープンしようと思われたのでしょうか。
長田さん:
カフェをオープンするならカフェ激戦区でもある京都で挑戦してみたいという思いがあり、今回初めてのカフェを京都でオープンすることにしたのです。
——ここは観光名所にもなっている錦市場からも近い賑やかなエリア。あらかじめ、この辺りでお店を出したいと決めていたのでしょうか。
長田さん:
はい。カフェをする際のコンセプトが「大人カフェ」で、店長の黒住とも「落ち着いた空間で、本当に自分たちが行きたい!と思うような店にしたいね」と常々話していました。京都のビジネス街・四条烏丸からも近いので、ここなら私たちがターゲットとするビジネスマンも多く、そうした方に気軽に寄ってもらいたいという思いもあって、ずっとこの辺りで探していたんです。
またお店をするなら、やはり1階の方がお客様も入りやすいと思い、1階であることにもこだわっていました。ですが、なかなか理想とする物件が出てこなくて、決まりかけていた物件もダメになるなど、だいぶ苦労もしたんですが(笑)
——そんなことがあったんですね。ではここは、そんな中ようやく出会えた物件だったんですね。
長田さん:
ええ、そうなんです。実はお店のレイアウトは、理想とは少し違っていたのですが、1階にあったこと、以前もカフェだったことから居抜きで使用できることなど、諸々の条件がよかったので、ここでのオープンを決めました。
——なるほど。内装をコトスタイルに依頼する際は、どんなイメージでお願いしたのでしょうか?
長田さん:
カフェで最近増えたのが、セルフサービスでシステマチックに接客するお店ですが、私たちが目指したのは昔ながらの喫茶店のように、フルサービスでお客様をお迎えするお店。コトスタイルさんにもまずは、そのことを伝えました。理想としては入口にコーヒーカウンターを作りたかったんです。店内に入るとコーヒーの良い薫りがするお店がいいなと思っていたのですが、今回はそれが難しく、奥にカウンターを作ってもらっています。
あとは1人で来てくださるお客様にのんびりと過ごしてもらえるように、ソファ席を作りたいと思っていました。さらに、ゆったりと過ごしてもらうためにも、パーソナルスペースも限られた中で場所をきちんと確保できるよう1cm単位で考えました。他のお店も参考に、テーブルの高さや幅、奥行きなど、どのくらいあれば隣の人を気にせず楽しんでもらえるか、徹底してリサーチして今の設置になっています。
——なるほど。テーブルも大きめですし、配置もゆったりした印象ですね。
長田さん:
はい。あとイス席になった方にも楽しみがあるように、実はイスの種類が少しずつ違うんです。当初は、すべて同じもので統一しようと考えていたのですが、黒住から「家具が全部違うカフェがあった」と教えてもらい、その発想は面白いなと思って取り入れることにしました。カウンター前のイスと壁際のイスも違いますし、お客様の好みで好きなイスを選んでもらえたらと思います。
——黒いソファ席に真っ白な壁、床のフロアタイルの柄など、内装が店名にもなっている「黒カフェ」というイメージにすごく合っている気がします。
長田さん:
ありがとうございます。壁は前のお店のときのままです。すごくきれいに使われていたようで、今回のリフォームでは何も触っていません。
床のフロアタイルは、本当はエントランスで使おうと思っていたものです。写真や実際のサンプルを見せてもらっても、いざ床に貼ったときのイメージが湧かずなかなか判断が難しかったのですが、結果こちらにして正解でした。
——なるほど、そうだったんですね。
次回も引き続き、店舗リフォームについて伺います!