今年5月、御所北エリアにオープンした「鮓はやし」。前編では、コトスタイルにご依頼いただいたきっかけや、物件探しについてお伺いしました。
後編では、リノベーションについてさらに詳しく伺っていきます。
細かい部分まで納得のいくまで
要望を聞いていただきました
――リノベーションの際はどのようにイメージを伝えられたのでしょうか。
林さん:寿司を一番美味しい状態で食べていただきたいので、カウンターのみのお店にしたいと考えていました。コトスタイルさんのWEBサイトに載っていた施工事例の中で、気に入っている和食店があったので、「こちらと似たイメージでお願いします」とお伝えしました。実際は、物件の広さや条件が違うので、全く同じにはならなかったですが(笑)。
――理想のイメージに近い施工事例があったのですね。最初に図面をご覧になった時はイメージ以上だったとのことでしたが、実際に工事が始まってから調整されたことはあるでしょうか。
林さん:やはり、図面だけではわからない細かなところは調整を重ねています。使用する素材は、サンプルを持ってきていただいて、照明の当たり具合を確認しながら選ばせていただきましたね。
椅子の高さも、実際に座ってみないと適切なサイズがわかりませんので、コトスタイルさんが手がけた他のお店に伺って、実際に座らせてもらって決めました。まな板の高さは、ある程度お店の形が見えてから台を設置していただくなどして調整しています。
カウンター側の厨房に設置する冷蔵庫の奥行きは、途中で変更させていただきましたね。当初は60cmの予定だったのですが、お客様への対応のしやすさを考えると、45cmが最適だなと思いまして。使い勝手は当初のサイズのほうがいいのですが、お客様との距離感を優先することにしました。
――素材選びから家具の寸法まで、細かく調整されていたのですね!今座らせていただいているハイカウンターからは、丁寧なお仕事の様子がよく見えそうです。カウンターテーブルの木の風合いも素敵ですね。
林さん:ありがとうございます。一般的に、寿司店ではカウンターテーブルに白木の無垢材を使うことが多いのですが、こちらではタモの木を使っています。メニューに赤ワインがあるのですが、白木だと置きづらいんです。白木は柔らかい材質なので、傷が付きやすいということもあります。
――こちらにお伺いする際に気になっていたのですが、マンションの既存の扉を開けてこちらに入るまでに、和食店らしいアプローチがありました。
林さん:この物件は外観にほとんど手を加えることができなかったので、じゅらく壁を新たに設けて、アプローチを造っていただいています。
――あのアプローチを通り抜けることで、日常から離れて、隠れ家にお邪魔したような気分を味わいました。実際にお店をオープンされて、手応えはいかがでしょうか。
林さん:スムーズにやれていると思います。厨房は動きやすくて、使い勝手がいいですね。段差をなくすために床を上げたために、天井がやや低くなったことが心配だったのですが、特にお茶関係のお客様にはかえって好評でした。「この店は、どこの工務店にお願いしたの?」とお客様に聞かれることも多いです。
コトスタイルさんは、細かいところまでこちらの要望を聞いていただきましたし、新たなアイデアもたくさん出していただけるところが良かったですね。店舗改装の際に要望がなかなか伝わらず、悔いが残ったというお話を同業者から聞くこともあるのですが、コトスタイルさんとは納得がいくまでいろいろ相談できました。
今後は、ワイン会などの小さなイベントや、他の料理人とのコラボイベントも随時企画していけたらと思っています。
――新たな試みも楽しみにしています!
林さん、本日は貴重なお話しをありがとうございました!