ダイニングBAR タワー
八坂神社がすぐ目の前という
祇園のど真ん中にある「祇園ファーストビル」の地下。
ここにある、昭和レトロな雰囲気を思わせる街を再現した
「祇園はんなり横丁」に2018年2月、
新たに「ダイニングBARタワー」がオープンしました。
オーナーのKさんは、勤めていた会社を50才台後半でリタイア。
これまでとまったく違うことをしようと飲食店をオープンされました。
開業前には、コトスタイルのセミナーにも参加していただいています。
お店をオープンされるまでに、どんな準備をしてきたのか、
詳しくお話を伺いました。
2018年3月8日インタビュー
——————
会社勤めをしながら、専門学校で勉強
3〜4年かけて開店準備をしてきました。
インタビュアー:
以前は全く違うお仕事をされていたと聞きました。
Kさん:
ええ、企業に勤める会社員でした。定年に近い年齢になり、
まったく違うことをやってみようと思い立ち、会社員のかたわら、
専門学校に通いながら、お酒や店舗運営について学んでいました。
当時は神戸に住んでいて、会社帰りに大阪まで通っていたのです。
学校では、カクテルの作り方など実践を交えたレクチャーも多く、
たいへん勉強になりました。
準備期間として3〜4年ほど考えていたので、
その間にお店のコンセプトなど、ゆっくりとしたペースで考えていましたね。
お店は自分ひとりでやっていこうと思っていたので、
料理をたくさん揃えなければいけない居酒屋ではなく、
お酒をメインにしたバーで、かつ食事も楽しめるお店をイメージしていました。
なので、物件を探すときも広さは20坪くらい、
席数が20席を超えると難しいという風に
あたりをつけて探していました。
インタビュアー:
物件探しは、祇園エリアで考えていたのでしょうか?
Kさん:
最初は、京都のもっと広い範囲で検討していて、
大阪も視野に入れて探していました。
毎日ネットで物件をチェックして、気に入ったものがあれば
内覧に行くというのを繰り返していました。
コトスタイルさんのセミナーに参加していたので、
お店をオープンするまでに、どういう流れで進めていったらいいのか、
事前に分かっていたのがよかったです。
内装工事の中でも水道や電気、ガスなどの基礎工事が大事であること、
経費も必要になるといったことを教えてもらっていたので、
物件探しの際は最初から厨房設備、空調設備がある程度整っている
居抜き物件にしたいと考えました。
物件が見つかったあとのこと、
どのタイミングで内装工事を依頼すればいいかなど、
具体的に教えてもらっていたのはありがたかったですね。
この物件は不動産屋さんから、出てすぐのタイミングで紹介してもらいました。
以前は居酒屋をされていたそうです。
祗園という立地や、静かで落ち着いた雰囲気がいいなぁとは思ったんですが、
集客を考えると、地下にあるというのがネックかもしれないと少し悩みました。
ですが、地下にあるため、祗園にしては賃料が手頃で(笑)
コトスタイルの社長にもアドバイスをいただき、
元の設備を生かしつつ、リフォームで新しくして
落ち着いたいい雰囲気に仕上がりますよと言ってもらったこともあり、
ここに決めました。
インタビュアー:
内装でこだわった点はありますか?
Kさん:
「落ち着いてお酒が飲める空間に」ということが一番にありました。
あとは黄色を使いたいという希望があって、
カウンターバック棚には黄色を取り入れてもらっています。
インタビュアー:
間接照明が当たって、黄金色の棚がすごく綺麗に浮かび上がっていますね。
祗園らしい高級感も感じられます。
Kさん:
ありがとうございます。
この棚は、今回新しく作ってもらったものです。
以前、カウンター上にはもっと照明器具が付いていたのですが、
数を減らして、色も白の蛍光灯ではなく、間接照明にして
暖色系の柔らかな色合いにしてもらいました。
照明器具を減らしても十分な明るさはありますし、
こっちの方がお客様も落ち着いて
お酒を飲んでいただけるのではないでしょうか。
お酒を並べる棚は、これからどんどんお酒が増えるだろうということで
耐久性を考えて厚みのある板を提案してもらいました。
インタビュアー:
板に厚みがあることで、存在感が感じられ、いい雰囲気ですね。
Kさん:
そうですね。
あとは、もともと小上がりになっていた空間を、
テーブル席にしてもらったのですが、
ここは座りやすく、足を伸ばしやすい席にとお願いして
リフォームしてもらいました。
すぐ後ろが窓になっていますが、外から丸見えにならないよう、
ガラスには白いシートを貼ってもらっています。
入り口となる引き戸にも、一部ガラスシートを貼ってもらいました。
障子のような印象ですね。
店内が少し見えた方がいいかと思い、
模様入りの透明のシートを貼ってもらったところもあるのですが、
これだと店内の様子が見えすぎるため、
もう少し見えにくいシートにした方がいいのかと今、検討中です。
またコトスタイルさんに相談させてもらおうと思っています。
意外に時間がかかったのが、
グラスなどの備品の準備でした。
インタビュアー:
いざ物件が見つかってからオープンするにあたり、
実際に準備期間はどのくらいかかったのでしょうか?
Kさん:
お店のオープンは、今年2018年2月初めです。
昨年10月に物件を見つけて、それから契約を交わし、
リフォーム内容について打ち合わせを進め、
12月に1ヶ月ほどかけて工事をしてもらいました。
会社は昨年末に退社して、年明け早々に、
私はお店の備品準備を始めたという流れです。
備品は大阪・千日前にある道具屋筋へ行けば、一通りものが揃いました。
ただ、アルコールを入れるグラスを揃えるのに、
想像以上に時間がかかって、骨が折れました(笑)
というのも、まずは1杯をどのくらいの量にするか、ということから、
アルコールは、グラスの厚みや口当たりで味わいが変わってくるので、
それぞれに合うグラスを用意したいなど考え始めると、
想定外の大変さでしたね(笑)
あとは一緒に働いてもらうアルバイトスタッフの募集も初めてしたのですが、
最初はネット検索できないところで募集したところ
応募が全然なくて…。
その後、タウンワークでの募集に切り替えたところ、
こちらはネットでも検索・応募できる仕組みがあり、
20人以上の応募があり、驚きました。
私も物件探しは主にネットでしましたが、
今はスマホなどで情報検索ができないと
なかなか見つけてもらえないなということを実感しましたね。
インタビュアー:
備品準備にスタッフ探しなど、お店の設備の準備以外にも
やることはたくさんあるんですね。
ところで、メニューを拝見したところ、ハイボール500円、酎ハイ500円など、
祇園にしてはすごくお手頃な価格設定のように思いましたが…?
Kさん:
そうなんです。
まずはいろんな方に気軽にお店に足を運んでもらいたいと思い、
価格設定は祇園の中でも安くしてあります。
最近は、外国のお客様向けに英語メニューも用意しました。
お酒をメインに味わってもらいつつ、
焼き鳥や枝豆、ナッツ、サイコロステーキなど
アテとして、楽しんでもらえるちょっとした料理もお出ししています。
これらも350円〜600円という価格設定なので
気軽にオーダーしていただけると思います。
さらに、今は夜だけの営業ですが、この春くらいからは
ランチ営業も始めようと計画。
特製カレーが登場する予定です。
インタビュアー:
新メニュー、楽しみですね。
お昼営業も始まると、さらに忙しくなりそうです。
今日は為になるお話、ありがとうございました。
====================
石畳の続く京都らしい景観が楽しめる花見小路や
朱色の楼門が鮮やかな八坂神社など、
名所ぞろいの祇園にオープンされたダイニングBARタワーさん。
レトロな街並みが楽しめる地下街を歩いてたどり着くというのは、
観光客だけではなく、京都在住の人にも新鮮なはず!
何より、祇園で気軽に飲める価格設定も嬉しい一軒です。
Kさん、どうもありがとうございました!