京都市内の中でも繁華街として賑わう三条河原町。
そこから少し南西に入ったところにあるビルの半地下に新しくオープンしたのが
スピリッツを専門に楽しめるバー「Sprits Bar The Trine」です。
1店舗目でジンを専門に扱うバーを任されていた山添直樹さんが、
今度はオーナーとして独自にオープンさせた2店舗目。
工期はわずか10日間というスピードで開店にこぎつけたという
山添さんにお話を伺いました。
(2016年11月9日取材)
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物件を見つけてからお店オープンまで約1ヵ月
10日の工期で完成させた内装とは?
インタビュアー:
お店はビルの地下にあって、ちょっとした隠れ家のような印象ですね。
こちらの物件はどうやって見つけたのですか?
山添さん:
物件探しは、ネット検索や不動産まわりもいろいろしていたのですが、
すでに知っている物件が多く、出てくる物件はどこも似たような感じだったんです。
結局、ここは自分で歩いていて見つけました(笑)
このお店は僕にとっては2店舗目なんです。
1店舗目は京都で唯一のジン専門店「京町家BAR C&D 先斗」というお店で、
ここから徒歩2~3分で行ける距離にあります。
2店舗目は全然違う客層をターゲットにして、違う場所でオープンしようと考えていたのですが、
1店舗目を監督しつつ2店が影響し合あえる場所…と考えると
やはり近い場所がいいと思ったのと、ここは地下ですが半地下で通りからは入口も見えて、
入りにくさはないと思ったので決めました。
インタビュアー:
なるほど。改装の工期は10日ほどだと伺いました。
コトスタイルの担当、森さんからは「山添さんのコンセプトがきっちりしていたので
工事がスムーズに進んだ」と。
山添さん:
ありがとうございます。
「こんなお店にしたい」というイメージがすでに頭の中に固まっていたのと、
性格がせっかちなのもあるので(笑)
予算も限られていたので既存のものをなるべく生かした改装をお願いしました。
オーセンティックバーという言い方がありますが、
私は目指すのは、気軽には入れて、かつほどよい緊張感のある空間。
この赤土のような印象の壁も既存のものですが、
気に入っていて、シックな空間にぴったりだと思っています。
あと一番こだわったのが、この水槽なんです。
インタビュアー:
水槽の中に森があるような?
山添さん:
ええ。これはパルダリウムといって、水槽の中に熱帯雨林のような環境を作り
鑑賞して楽しむものなのですが、どうしてもこの水槽を置きたくて、
先にここに置く水槽の大きさを割り出してから、カウンターを作ってもらいました。
床も張り替えてもらっていて、
ナチュラルな雰囲気になるよう古材風のデザインを選んでいます。
インタビュアー:
水槽の中にはうっそうとした森、床も自然な木目で、
お店の中はちょっとした癒しスペースのようですね。
正面のカウンターも広々としていて、座っていて気持ちがいいです。
山添さん:
このカウンターも既存のもので、天板の張り替えだけお願いしました。
お店が全体的に暗い空間なので天板の色は明るめに。
お客様が寛げるように、カウンターチェアは肘置きのあるものを選びました。
肘置きのあるカウンターチェアがあまりなくて、
自分でもなかなか気に入ったものが見つけらなかったのですが、
最後は森さんが見つけてきてくれたんです。
中央に置いてあるテーブルも、カウンターに合わせた色味のものを選んでいます。
本当はもっとテーブルを置いて席数を増やすこともできたのですが、
1店舗目が狭かったので広くしたいという思いと費用もかかるので(笑)
あえてテーブルはゆったりめに配置して、お客様には広々としたスペースで
寛いでもらえたらいいなと思っています。
インタビュアー:
カウンターに座ると、目の前にずらりとお酒の瓶が並んでいて見入ってしまいますね。
この棚は新たに付けられたのですか?
山添さん:
はい。元々お酒を置く場所はあったのですが、壁一面なにもなく殺風景だったこともあって
森さんに作り付けの棚を提案してもらいました。
たくさん並べられますし、可動式なので棚の位置を変えたり、
増やしたりすることもできる点が気に入っています。
インタビュアー:
圧巻の品揃えですが、何本くらいあるのですか?
山添さん:
正面の棚には150~180本くらいで、
下の置いているものの含めるとざっと250本くらいでしょうか。
初めてのお店オープンでも
コトスタイルならトータルで任せられる安心感
インタビュアー:
お話を聞いていると、山添さんのイメージされているお店像が明確で
工期が短かったというのも納得ですが、
迷ったりされることはなかったですか?
山添さん:
今回2店舗目ですが、立ち上げから関わるのは初めてのことで、
正直言って、何から始めたらいいのか最初は全然分からなかったんです。
物件探しをしていたときから、内装についてはいろいろな会社を検討していたのですが、
コトスタイルさんは企画からデザイン、設計施工とトータルに見ていただけるのが心強く、
お願いすることに決めました。
工期も短かったので、あらかじめ担当の森さんとは打ち合わせの日を決めておいて、
この日は床のこと、次はカウンターのことと
それまでに何を決めておいたらいいのか事前に説明をしてもらっていたので、
そのとき自分のすべきことが分かり、とてもやりやすかったですね。
初めてのお店立ち上げで、どこをどう進めていったらいいのか分からず迷っていたところを、
コトスタイルさんに道筋をつけてもらい、リードしてもらった感じです。
インタビュアー:
お店の中で気に入っている箇所などはありますか?
山添さん:
内装に関して今日はここ、次はこちらと一つずつバラバラに決めていったのですが、
出来上がってみるとお店全体に統一感があって、
まとまった印象に仕上がっている点がすごく気に入っていますね。
インタビュアー:
今日はお店がオープンして4日目ですね。
これからどんなお店にしていきたいですか?
山添さん:
バーでは、お客様とバーテンダーがコミュニケーションを取りながらお酒を飲めることが
一番の醍醐味だと思っているので、バーテンダーはお客様の好みをしっかりと聞きだして、
平均点の味ではなく、お客様にとって90点以上になるお酒を作りたいと思っています。
バーというと非日常な場という印象をお持ちの方も多いと思いますが、
私は、お客様にとって日常の中にあるバーでありたいと考えています。
バラエティーに富んだ品揃えで、手の届く価格帯、そして寛げる空間。
ウォッカ・ラム・テキーラ・ジンが四大スピリッツといわれているのですが、
ここをスピリッツに特化したバーにしたのも、
リーズナブルな価格で提供できるものが多いという理由があってのことなんです。
1店舗目のジン専門店のほかに、先斗町にはウォッカ専門店、ラム専門店、テキーラ専門店と
一つのエリアに四大スピリッツの専門店がそれぞれ徒歩圏内にあります。
この「Sprits Bar The Trine」を入口に、スピリッツに興味を持ってもらって
お客様がさらに深く知りたい、いろいろ味わってみたいと思ったら
各お店とは繋がりがあるので、自信をもって専門店を紹介したいと思いますし、
まずは気軽にスピリッツに親しんでもらえるバーにしていけたらと思いますね。
インタビュアー:
山添さんの気さくな人柄、種類豊富なメニューに一度
お客さんとして足を運んでみたくなりました。
今日はお忙しいところ、どうもありがとうございました。
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バーというと「非日常な空間」というイメージでしたが、
「お客様に気軽にお店に入ってもらい、お酒を存分に楽しんでもらいたい」
という思いが形になった「Sprits Bar The Trine」なら、
初めてのお客様も安心して入れそうです。
山添さま、どうもありがとうございました!