清水寺や八坂神社など、名所が数多く点在するエリアー祇園。
観光客も多く行き来する下河原町通沿いにあるのが、「Bistro Atout」です。
ビストロとは、日本でいう居酒屋的存在。
「もっと気軽にフレンチを楽しんでもらいたい」とお店をオープンされた、
代表の松本剛さんにお話を伺いました。
(2014年12月3日取材)
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インタビュアー:
名所スポットや観光の方も多い祇園というエリア
にお店をオープンされたわけですが、
こちらの物件は、どのように探されたのですか?
松本さん:
実は最初、祇園でお店をするとは考えていなかったんですよ。
でも、ここは知り合いに紹介してもらって、
すごくいい立地にも関わらず、お家賃もいい感じだったので(笑)
それで内装をお願いしようと、直接コトスタイルさんの会社を訪ねて行ったんです。
そうしたら、セミナーがあることを教えてもらって。
インタビュアー:
コトスタイルさんが毎月開催している「開業セミナー」ですね。
松本さん:
はい。セミナーで開業にあたっていろいろお話を聞けたので、心の準備ができました(笑)
セミナーには国民生活金融公庫の方がいらっしゃって、
紹介していただいけたこともありがたかったですね。
融資については、開業する際に知り合いから希望額の半分も難しいかも…と
いろいろ話を聞いていたので、どうしようかと思っていたんです。
でもセミナーで紹介していただいたこともあり、スムーズに融資を受けることができました。
ありがたいことに、満額借りることができたんですよ!
(2014年8月 開業セミナーの様子)
インタビュアー:
セミナーでいいご縁ができたんですね。
松本さん:
ええ。満額借りられたので、空気清浄機も買えました(笑)
インタビュアー:
空気清浄機を?
松本さん:
このお店は、小さいお子様もOKにしているんですよ。
インタビュアー:
え!そうなんですか!?
フランス料理のお店だと、小さな子どもを連れていくのは躊躇しますよね。
松本さん:
小さな子どものいる友人も多いので、子ども連れでも気兼ねなく
食事を楽しんでもらいたいと思って。
フランス料理というと、どうしても敷居が高いと思われるようですが、
バルのような感覚で、気軽にいろいろな方に来てもらえたらうれしいです。
そんな思いもあって、店名には居酒屋という意味を持つ「ビストロ」と付けたんですよ。
インタビュアー:
内装についても、いろいろお聞かせください。
入口は、ウッドデッキのようになっていましたね。
黒板にメニューが書いてあるのも分かりやすく、
初めてのお客様も入りやすそうです。
松本さん:
ありがとうございます。
以前ここは喫茶とクラブを合わせたようなお店をされていたそうなのですが、
ウッドデッキはそのときのまま活かして使っています。
入り口横に奥へ行く路地があるのですが、そこへお客様が間違って入っていかないよう、
新たに仕切りを作り、黒板にしました。
最初は、フレンチのお店だとわかりやすいように
ワイン樽を置くアイデアもあったのですが、
予算の都合もあって(笑)、このように落ち着きま
した。
その日のランチメニューなどを書いてある黒板は、
何屋さんか分かりやすいよう、コトスタイルの担当の方とも相談して最後に加えたんです。
インタビュアー:
なるほど。あとは、大きなドアが印象的です。
それと、ドアの両サイドはガラス張りなんですね。
松本さん:
ドアの色は、ウッドデッキと同じ色にしようかとも
思ったのですが
シックな印象にしたくて、最終的にちょっとグレ
ーがかった色で仕上げてもらいました。
どんな感じのお店がいいか、よくこの辺りを自転車で回っていろいろなお店をチェックしていました(笑)
ドアも、おしゃれでいいなと思うお店があって、参考にさせてもらっています。
あとは、お店のリフォームを考えていたときに、女性の意見も取り入れようかって担当さんとも話して、
友人の嫁さんに聞いてみたら、「店内がちょっと見えた方がいい」って言われたのもあったので、
両端はガラスにして、中が見えるようにしてもらいました。
インタビュアー:
確かに、お店の中が見えた方が雰囲気も分かりますし、
入りやすいかもしれませんね!
店内の内装は、どんな風にしたいと伝えたのでしょう。
松本さん:
その場その場で決めていきました(笑)
特にクロスの色は、いろいろ迷って何回も変えましたね。
入ってすぐのスペースは「白」とスムーズに決まったんですが、
真ん中の空間は、最初黒いクロスにしようかとも思っていたんです。
でも、それだと暗すぎるかなと。
何度かやりとりがあって、最終的には落ち着いた印象の赤色になりました。
北山杉を使った天井や壁はそのまま使ってほし
いという家主さんの意向もあって、和の雰囲気も
ある空間だったので、その雰囲気に合わせた
クロスを選びました。
ざらっとした質感も気に入っています。さらに奥のカウンター席は濃い青色。
それでフランスの国旗と同じ、白・赤・青なんですよ。
インタビュアー:
あ、国旗の3色が取り入れられているんですね!
松本さん:
ええ(笑)
クロスの色は本当に迷って何回も変えたんですが、担当の方は嫌な顔一つせず対応
してくれました。
本当は嫌だったかもしれませんが…(笑)
ソファのシートは、ワインのシミとかがつかないように、防水にしてほしいと素材だけ伝えて、
提案していただいた千鳥柄のシートに決めました。その辺はわりとお任せで(笑)
あと、この空間は、昼と夜とでは印象が変わるよ
うにしたかったので、昼間は明るく、夜は少し
暗めの照明でいい雰囲気になるようにして
います。
インタビュアー:
夜はしっとり落ち着いた雰囲気になるんですね。
奥のカウンター席も居心地が良さそうな空間です。
松本さん:
バーとして使いたいと思って作ったスペースです。
お店の中でここが一番気に入っている場所かもしれません(笑)
担当の方に提案してもらって、厚みのある一枚のカウンターに
なっています。
木目もきれいに見えていいんですよ。
お店が空いていないときは、よくここで書類を書
いたりしていますね。
インタビュアー:
こぢんまりとした空間で、長居したくなりそうな雰囲気です!
このカウンターの奥が厨房なんですね。
こちらにはどのようなこだわりが?
松本さん:
お客さまからも見える部分なので、清潔感が
あるように、というのは意識しました。
白いタイルで、ぱっと明るい印象になるように。
あとここの地形の問題もあって、店内が奥に進むにつれて坂になっているんです。
それでなるべく段差はなくなるようにしてもらいましたね。
あとは、以前の造りのままだと料理が運びにくかったので、
カウンター横にスペースを取って、そこを通れるようにしてもらいました。
インタビュアー:
コトスタイルさんにお願いしてよかったなという点はどこですか?
松本さん:
私はひたすら言葉で伝えて、あとは担当の方が上手に形にしていってくれましたね。
コトスタイルさんには内装のほかロゴやショップカード、名刺、HPなども
お願いしているのですが、ロゴを作るときも何度かやりとりがありました。
担当の方は、親身になって事細かく相談に乗っ
てくれて、納得のロゴが仕上がりました。音楽が
好きで、レコードもいろいろ集めているのです
が、「タッチ&ゴー」というレーベルのロゴが気に
入っていて、それをサンプリングして(笑)、作ってもらいました。
インタビュアー:
それで壁にはレコードがたくさん飾ってあるんですね。
11月7日のオープンから約1ヵ月が経ちますが、いかがですか?
松本さん:
友人が来てくれたり、あと知らないお客様にも
来ていただいて、「また来ます」と言って
もらえたこともうれしかったですね。
この辺りは21時くらいで閉店するお店が多いんですが、うちは25時まで。
観光客の方も多いエリアですが、まずは地元・京都の方に来てもらえる
ようなお店にしていきたいですね。
インタビュアー:
地元の人に愛されるお店、ステキですね。
今日はお忙しいところ、どうもありがとうございました!
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祇園にあるフレンチ…というと、一見ハードルが高そうな印象ですが、
お店の入り口は、とてもカジュアルな雰囲気。
メニューが書いてある入口の黒板や、居心地のいい空間づくり…と
松本さんがお店づくりをされるにあたって、いかにそのハードルを下げるか、
お客様に気持ちよく過ごしてもらいたいかを考えていらっしゃるのが伝わってきました。
松本さま、どうもありがとうございました!
Bistro Atout様の事例紹介ページは、こちらから御覧ください。