JR大津京駅からほど近いビルの2階。
柔らかな陽射しが差し込む、心地のいい一室が、
ヘアサロン「APERTO」さんです。
経営するのは、ともに美容師の田中さんご夫婦。
今回は、オーナーの田中万生さんにお話を伺いました。
(2014年10月28日取材)
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インタビュアー:
路面店ではなく、ビルの2階にオープンされるのですね。
田中さん:
ええ、あえて2階で(笑)。
以前は美容室に勤めていたのですが、独立を考えたとき、
路面店にはしないと決めていたんです。
そのときのお店は1階で、お客様と話していると、「1階にあると落ち着かない」、
「外から見られるのはイヤだ」という方が結構いらっしゃったんです。
それで、お客様は単に美容院に髪を切りに来るだけではなく、
ここで「落ち着きたい」と思って来てくださっているんだなぁと気が付いて。
インタビュアー:
確かに、ヘアサロンに行くときはリフレッシュや
癒しの場としての期待があるかもしれませんね。
田中さん:
はい。なので、お店の空間はお客様にとって
安心安全、落ち着ける場所にしたいというのが一番にありました。
それでテーマカラーは、グリーンと白に。
どちらも安心感のある色ですよね。
インタビュアー:
お店のロゴにもグリーンと白が使われていますね。
田中さん:
はい。あとハーブをイメージしたイラストも入れてもらっています。
髪に使う薬剤も安心安全がモットーとしてあり、
ハーブやオーガニック系のものを用意しています。
そのイメージとしてデザイナーさんが提案してくれました。
私は、お客様にとっての「髪のお医者さん」でいたいという思いがあるんです。
薬剤も価格や単価ではなく、本当にいいものだけを使いたい。
髪をカットして終わりではなく、5年10年先を見据えて、頭皮の環境を整える。
お客様の髪と長い目で向き合っていくには、
天然由来のものを使いたいという思いがずっとありました。
ハーブのイラストにはそんな思いが込められているんです。
あとお店づくりをする際は、女性を意識していたので、
ロゴも丸く優しい印象になるようにお願いしました。
内装も、やはり女性の方が女性らしさを具体化してくれるのでは
という思いがあって、女性にやってもらいたかったんですよ。
(コトスタイル担当者に目を向けつつ…)
彼女は、スピードとパワーがあって、そこがいいなと。
デザイナーの方も女性で、こちらの意図や思いをうまく汲み取って
あ、これだな!というものを直感的に一発で出してくださって。
プロとしての能力を感じましたね。
インタビュアー:
お店の空間も明るく、柔らかな雰囲気ですね。
この丸くくりぬかれた壁も印象的です。
田中さん:
この通路がそれほど広くはないのですが、マルがあるおかげで、
圧迫感も薄まりますよね。
あと、店内のクロスは全体壁面が白、天井は淡いグリーンがベースになっているのですが、
受付のところだけレンガの壁紙、シャンプースペースの一面だけ強めのグリーンなんですよ。
ここだけ違うクロスにすることで、空間が引き締まった印象になって
妻もここを気に入っています。
インタビュアー:
こちらのカウンターは、どんな風に利用されるのですか?
田中さん:
カウンターにはテレビを置く予定です。
最初は、壁を作ってもう一つの空間を作りたいと思っていたのですが、
そうすると狭くなってしまうこともあり、カーテンレールをひいてもらいました。
カーテンを閉めれば、着付けスペースやキッズルームとしても利用できますし、
完全予約制なので、お客様の待ち時間はほとんどゼロなのですが、
ちょっとの間待っていただくスペースとしても利用できますよね。
実は予算的なこともあり、壁ではなくカーテンにしたのですが、
結果、壁を作るより空間に広がりが出てよかったなと(笑)。
インタビュアー:
そのほか、内装でお気に入りの場所はありますか?
田中さん:
お客様には見えないのですが、バックヤードが意外と広くて気に入っています。
最初はもう少し狭くてもいいかなと思っていたんですが、コトスタイルさんに提案していただいて。
これだけの広さがあると使い勝手もいいですし、収納も充分!
小さいわけではなくコンパクトですっきりしていて、いいですねー。
あとはシャンプーコーナーでしょうか。
シャンプーをすることでお客様の髪の状態が分かるので、
シャンプーは自分の中ですごく大事にしているんです。
だからシャンプー台は、美容師にとっての使いやすさというよりは、
お客様にとってのリラクゼーションやラグジュアリー感を大切にしました。
あとはここに、パーマ後やカラー後の髪の毛に残留したアルカリを炭酸水で流し、
弱酸性に整える炭酸水設備も導入しています。
インタビュアー:
シャンプーコーナーの横には大きな窓があって、
解放感もありますね。
田中さん:
明るい陽が差し込んで気持ちのいい空間になったと思います。
それにこの仕切りの部分が、丸くカーブしているところもポイントですね。
インタビュアー:
ミラーや椅子は可動式なんですね。
田中さん:
はい。今は、お客様には東に向いて座ってもらうようになっていますが、
これからお店をオープンして使っていくうちにまた変わるかもしれません。
やりながらちょっとずつ作り上げていければいいなと思っています。
実は、店名の「アペルト」というのは、音楽用語で
「ゆっくり明るくなるように弾く」という意味があって。
時間に追われることなく、ゆったりとした接客ができればいいな
という思いを込めてつけました。
なので、お店もオープン時が100%!というのではなく、
ゆっくりとちょっとずつ完成にむかっていければいいなと考えています。
インタビュアー:
なるほど。店名にはそんな意味が込められていたのですね。
今回お店をオープンするにあたり、ホームページや販促ツールもすべて
コトスタイルさんに任せたとのことですが、いかがでしたか?
田中さん:
はい。ロゴは最初、別の人に相談していたのですが、
お店の内装やロゴ、ホームページと統一感があった方がいいと思い、
全てまとめてお願いしました。一貫性って大事ですよね。
すべてが繋がっていくと思うので。
仕上がった今、ホント、コトスタイルさんにお願いしてよかったと思っています。
あとは、スタッフさんの人間力ですかね。若いのにパワーがあって。
こちらがいろいろ要望を出しても、できないって言わないのがいい!
そこがプロですよね。
金額的にも無茶を言っていたかもしれないのですが、
ダメって言われることはありませんでした。
きちんと説明をしてくれて、どれも納得した上で作業ができたのがよかったですね。
大工さん、職人さんにも安心してお任せできました。
今、ホームページも作ってもらっているのですが、完成が楽しみです。
インタビュアー:
本当ですね。早く見てみたいです!
今日はオープン前にお忙しいところお話を聞かせていただき
どうもありがとうございました。
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インタビュー中、とても印象的だったのは、
田中さまのお客様に対する熱い思いと、髪に対する安心安全へのこだわり。
そんな思いが見事カタチとなっているのが、この「アペルト」空間なんですね。
髪をカット、デザインするだけではなく、お客様の髪を守り育てたい。
お話を伺う中で、田中さんのそんなまっすぐな思いが強く伝わってきました。
そしてお客様は、そんな田中さんに会いたくて
サロンへ訪れるのだろうなぁと思ったのでした。
田中さま、どうもありがとうございました!