デザイン経営4冊目(パーパス「意義化する」経済とその先)
デザイン経営DAY2が終わった今回もデザインという仕事の価値について学んだ。
今デザイン経営という授業を受けながら、企業がデザインを重要に捉え始めている事。
一方で、古い体質の経営層の企業では、デザインが不要だった時代の
成功体験が阻害要因となり、デザインを受け入れることができないどころか
デザインが必要だと感じている社員がいるにもかかわらず
そんな声が経営層に届かないというリアルがあるという事を知った。
うちは幸いにしてデザイン学んできた子たちの集まりだから
そういう意味ではデザインに対する理解や価値は当然持っているし、
おそらくみんな、デザインをする為に集まっている組織だと思う。
ただ、デザインだけで経営はうまくいかないという視点が重要で
あくまでもビジネスでり経営だという事を十分に理解しなければいけない。
だから、僕はこうしてMBA(経営学修士)を学んでいるんだと感じた。
約2年半学び続けてビジネスという経営学を体系的に学べ
得られたものの大きさは、本当に来てよかったというよりも、来ないとやばかったと
思うくらいに衝撃的で人生に対するインパクトは大きい。
そして、今回デザインの価値について改めて学び、
いかにビジネスに取り入れるかということについて考える機会をいただくことができた。
そして学びながら感じたのは、多くの企業でビジネス人材が多い中で
デザインを取り入れることに対する難しさを感じている企業が本当に多いという事。
そして、逆に僕はデザイン人材が多い自企業で
ビジネスを取り入れることの難しさを感じているということがわかった。
ビジネスだけでも駄目で、デザインだけなんて考えられない。
そんなビジネスとデザインの関係について学んだうえで
わかったことが、ビジネスとデザインをつなぐビジネスデザインという領域だった。
経営者として組織のリーダーとして経営をデザインする。
これこそが、僕自身がきっと終生成し遂げるべきことなようにも感じる。
前置きが長くなったけどビジネスとデザインを繋ぐという難しさ
こんな素晴らしい授業の講師は以前も書いたけどTakramというデザインファームの
田川さんと佐々木さん、前回は田川さんのイノベーションスキルセットを読み
続けて佐々木さんのパーパス「意義化」する経済とその先も読ませてもらった。
パーパスについては少し前に数冊読みながら自社のパーパスを策定したので
しばらくは別のジャンルの本を読もうと思っていたにもかかわらず
こうして、偶然化、またパーパスに出会ったりするから
やっぱり、今年はパーパスが自分にとって重要なんだと捉え直している。
パーパスについては以前書いてきたことの復習も多く
やはり企業はもはや営利な組織だけでは生き残れないと強く感じた。
“これまでは「ユーザーに喜ばれるだろうか」
「ユーザーの真の課題に寄り添っているだろうか?」という、
ユーザー視点を徹底することで広く支援を獲得できたが、
もはやそれだけでは不十分だ。
今後は「我々のビジネスや取り組みは地球にとってよいものだろうか」という
「地球中心」の視点を加え、さらにそれをユーザー中心思考より
優先させる必要があるだろう。”(文中より抜粋)
これはパーパス関連の書籍のほとんどに記載されており
システム思考に近い概念であり、著書の佐々木さんも同様に重視されていた。
また、少しリアルな考察も記載されていた。
“気候変動についてはいくつかのショッキングなデータがある。
2020年春のIPSOSという調査会社の国際比較調査で
「人間の活動が気候変動につながっている」と考える人の比率は、
日本がダントツの最下位であった。”(文中より)
生まれたときから日本に生まれたことに対して誇をもっていたけど
本当に日本は置き去りになってしまっている事にショックを受けると共に
まじで、こういうのやっていかないとやばいと感じてる。
“メーカーが「新しくモノを生産する主体」であり、
消費者が「消して費やす主体」であるという、
20世紀型のありようは姿を消しつつある。
作ること、そしてそれを単に消費することは、
これからの経済活動において主役の座を徐々に失っていくはずだ。”(文中より)
“これまでのビジネスが「作って、売って、終わり」という単線型だったとしたら、
消費者と心理的につながり、消費者と企業の間でモノがループし続ける時代においては、
その円環の中で複数の課金ポイントを構築していくような
ビジネスモデルがたちあがっていくだろう。”(文中より)
ここでもやはり”こころを知る”という事の重要性を改めて感じる。
このような考えを今の事業の先に見据える事ができているだろうか。
正直全然だめだし、本気でやれていない。
本当に、長期的な目線で仕事に取り組まなければいけないし
未来のこどもたちに見せられるようなものでもない。
“一時的な目的や偽りの目的はすぐに消費者に見破られます。
マーケティングに偏りすぎた目的も、消費者の心には響かない。
消費者が望むのは、彼らが関わるブランドとの真の意味でのつながりです。”(文中より)
“これまで企業にとっては高機能の製品を作ることを(What)、
それをよりよい顧客体験やメッセージを通じて届けていくこと(How)が重要だったが、
これからはパートナーとして信頼に足る人物(Who)か、
自分と同じ価値観(Why)を持っているかがとても重要になっていく。”(文中より)
時代の変化とともに企業の在り方、目的、立ち位置、消費者との関わり
すべてが大きく変わっていることは、この言葉からも明白だと思うし
先日学んだカスタマージャーニーとブランディングでの学びにも繋がる。
ブランドとお客様が共感・共鳴・共振して絆が生まれるほどの事を成しているか。
“「社会の探索」では、自組織の周辺で起こっている社会の変化を捉え、要素を抽出する。
ここで大切なのは、現在起こっていることだけでなく、
将来大きなインパクトになりそうな「兆し」を捉えることだ。
気候変動、格差や分断など人類がかつてない地球規模の課題に直面している今、
組織はより大きな視点で社会の変化を把握し、
社会からの期待を捉えることが求められている。
そのためにも、自組織の枠の外に目を向ける「枠外発想」が重要となる。”(文中より)
パーパスを定めるときに重要な事として
自組織の探索と社会の探索があると記載されていた
そこにパーパスがあると学んだ。
僕たちは「オモシロイ世界を広げる」というパーパスを掲げようとしていたけど
こんな一方向で本当に良いのだろうかと今は思う。
自組織においては、お店創りを追求しながらオモシロイ場所を広げる
社会的には空き家問題や環境問題に対するリノベーションの意義を用いた解決を目指す。
そのように考えると使い切れていない土地や建物をオモシロイ世界へと
変えていくというパーパスを作らないといけない。
社員が納得して自ら行動できるくらい明白に言語化しないといけない。
さいごに、本書でのメッセージ
“未来を構想するためには、入念に磨き上げられた意義の力が必要になる。
何のためにその組織は存在するのか、という深い問いから構想される未来には、
資金や人といった事業リソースを集める力がある。
ビジネスモデルだけでなく「意義」が、
持続的な競争力の源泉となる時代が訪れようとしっている。”(文中より)
この様な視座で経営を行う企業が増えなければ
数世代先の未来はどうなっているだろうか。
僕たちも小さな組織ではあるけれど社会の中の一組織として
このような知見を十分に理解して事業を営まなければいけない。
そして、デザインの話しに戻って、このような事を実現する為に重要なこと
それこそが、ビジネスとデザインとテクノロジーなんだと思う。
ここを追求して、将来のコトスタイルやグッドランプの姿を描き仲間に伝え
仲間と共に実現させえることこそが、僕のこの先やるべき仕事になる。
もっともっと考え尽くさなければいけない。