ジョブ理論。
新しいスタッフが入社してくれる時に
ただ目の前の仕事に取り組むだけじゃなくて
その仕事が成し遂げるものは何かを
必死で見つけて働いてほしいと話しています。
例えばとある同じ仕事をしている大工さんに
何の仕事をされているかと聞くと。
「扉の枠材を取り付ける仕事をしています。」
「家を作っている仕事をしています。」
「街づくりをしているんです。」
といったように様々な答えが想像される。
目先の扉を作っている事も間違いではないけれど
その仕事が大きな家を建て、さらには街の一部にもなっている。
さらにはそこに住む人の笑顔を作っているとも言えるし
そんな家から何かが生まれるきっかけを創ったかもしれない。
自らの仕事の捉え方によって仕事の大きさを変える事ができる。
目先の成果だけにとらわれずに考え方を大きく持つようにすることで
仕事への目的や、取り組み方、仕事を通じた考え方を進化させる事ができ
そうする事で仕事によって得られる成長も進化させる事ができる。
当社のスタッフにも常に、仕事が目先の店作りに限らず
その場でのビジネスを創り、人を創り、街を創っていると考えてもらいたいし
そうする事でより大きな成果と成長を得ることができると感じて欲しい。
普段から、そんなコトを考えたりしているのですが、
仕事の見方を変える事の重要性について
さらに明快且つ、理論的に考察されている本に出会いました。
ジョブ理論
イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム
ホームセンターでドリルを買う人は
ドリルを買っているのではなく、穴を買っているという話。
商品は、そのプロダクトによって得られる成果(本書ではジョブ)に
フォーカスし続けなければいけないという内容。
例えば穴にフォーカスせずにドリルの機能面をどんどん改良していくとする
強い鋼材を使ったり、最速の回転数にする事もできるが
それは結果的に穴を作る事にフォーカスされていなければ
穴が欲しい消費者にとっては意味のない改良となってしまう。
結果、改良にかかる予算はかかるけれど商品は売れないという事になる。
また、穴があければドリル以外のものが競合となる可能性がある。
穴あけ器やホルソーといった異なる機械であったり
道具ではなく、専門家に穴をあけてもらえるサービスも競合となる。
今ではホームセンターで木材を購入する時に穴をあけてくれるサービスもあれば
穴をあけるための加工場と道具をレンタルする事だってできる。
消費者は穴をあける為にどのサービスを選ぶのだろうか?
穴にフォーカスせずにドリルの競合と競って改良をし続けても
顧客のジョブを満たせなくなっていく可能性があるばかりか
気がつけば他の想像していなかった競合が現れている可能性もある。
今日のVUCA時代では十分に考えられる事であり、
自分たちのジョブを把握する事がいかに大切かがわかる。
そして組織も穴にフォーカスしなければ
他社のドリルの研究ばかり行って、数値目標を設定する。
そしてその目標に対する行動計画を実行して
多くの時間をそのドリルに費やす事になってしまう。
逆に顧客のジョブである、穴が大切だと組織が認識すれば
穴に対する研究に人は時間をさくだろうし、
組織の目標や行動も穴にフォーカスされたものになっていく
そうした場合の成果はそうではない時と比べて明快で有ることは想像できる。
本書ではこのようなジョブ理論をさらに深く考察した内容が記されていた。
穴をあけるドリルでは考えやすいことだったけれど
僕たちが行っている店舗設計ではどうだろうか?
またお客様が行われる飲食業や美容業等はどうだろうか?
そこまで考えてサービスが行えているだろうか?
その視点を持って、もっと考えるべき事はないだろうか?
2021年の最後にとても良い本に出会う事が出来た。
僕たちがやるべき仕事はなんだろうか?ではなく、、、
僕たちが解決すべき、ジョブはなんだろうか?
2022年は、こういった事をスタッフと共有できる組織づくりに励みたいと思う。