

清水五条から徒歩5分ほどのところにオープンした「the kind」様。
店主の冨浪悠佳さんは、海外旅行の経験から、量り売りのお店に興味をもち、「量り売り&シェアキッチン&レンタルスペース」を軸に、地域の人々が集うお店づくりをされています。またゴミを出したくないという思いから、今あるものを大切に活用しながら、フルリノベーションした店内やお店作りへの想いを前編・後編の2回に分けてお届けします。
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もとはガレージだった約22坪のスペース
今あるものを大切にしながら理想を形にしたフルリノベーション
——お店を始めたいと以前から考えていたのでしょうか。
冨浪さん:
いえ、特にそんなことはありませんでした。2年前ぐらいにふとお店をしたいなと思ったんです。現在のお店を始める前は、オンラインショップの仕事をしており、人と関わらない仕事だったので、人と関わりながら地元である東山で何かできたらいいなと思っていて。お店をするきっかけになったのは、御所の近くにある量り売りのお店「斗々屋」さんに行ったときに、これがしたいと思いました。
——そうだったんですね!ピンときたのでしょうか。
冨浪さん:
そうですね。コロナ前に旅行で、ブラジルやアイスランドに行ったときの体験が自分の中に刻まれていたんだと思います。フェアトレードや環境問題の話を聞いたときに、人にも環境にもやさしい社会にできたらいいなと思っていて。それが斗々屋さんに行ったことで、点と点がつながった気がします。量り売りの運用スタイルや販売する商品など、斗々屋さんを参考にさせてもらっています。
——お店が量り売りの他に、シェアキッチンとレンタルスペースも併設されていますが、この3つにされたのはなぜでしょうか?
冨浪さん:
量り売りだけでは、集客において難しいかなと思うところもあり、それ以外の事業も含めていろんな方が集う場所になればいいなと思っていました。先ほどもお伝えしたように、これまで一人で仕事をしてきたので、誰かの助けになりたい、挑戦したいと思っている人が気軽に挑戦できる場所を提供したいと思い、シェアキッチンとレンタルスペースを始めることにしました。1階を量り売りとシェアキッチンに、2階をレンタルスペースにしています。
——ご自宅兼事務所をリノベーションされたと伺いました。
冨浪さん:
曾祖父の時代は印刷所を営んでいたのですが、その建物を壊して、その後は自宅兼事務所として使用していました。そのうちのガレージ部分をリノベーションしたのですが、家賃もかかることなく約22坪の広いペースを有効活用できるので、場所はここ以外考えていませんでした。
——コトスタイルを知ったきっかけは何でしたか?
冨浪さん:
ネットで調べて見つけました。最初は相見積もりが取れる比較検討サイトで数社に見積もりを取ってもらいましたが、全部京都ではない会社でした。京都の内情や土地勘がわかっている会社の方が安心だと思い、改めて京都に絞って調べたときに、コトスタイルさんを見つけました。小規模のリノベーションもいろいろと手掛けておられるのを見て、自分の理想に合っているなと思い、ここにお願いしました。
——リノベーションにはどれぐらいの期間を要しましたか?
冨浪さん:
3か月ぐらいかかりました。ガレージとして使用されてから35年経過していましたが、天井のデッキスラブと床の一部はそのままに、それ以外はほとんどリノベーションをしています。広大かつまったく何もない場所だったので、水回り、電気、空調、フード、ダクトなど設備を整えてもらうところからはじまりました。
——リノベーションにおいて大切にしていたことはありましたか?
冨浪さん:
お店のコンセプトにも通じているのですが、ゴミを極力出さないようにしたいという想いがあるので、店内のテーブルや椅子、電球などは廃材を活用したり、アップサイクルのものを取り入れています。アップサイクルされた商品は、それぞれにストーリーがあって面白いです。今あるものをうまく活かして、できるだけ長く大切に使いたいと思っています。
モノを大切にされているのが伝わってきます。
後編では店内がよく見渡せて、人がつい入りたくなる工夫がされた窓や扉、商品がきれいに見える棚什器など、こだわりの店内について、詳しくお伺いします!