山科駅からほど近い、商店街の中にオープンした「食堂そら 定食とお酒」。
店主の前田佑弥さんは、和食、洋食、イタリアン、フレンチなどさまざまなジャンルの料理店で経験を積み、2023年3月に独立、お店をオープンしました。
店内の座席は4席で、キッチンもコンパクト。店名には食堂とありますが、従来の定食屋さんのイメージとは異なる、スタイリッシュな内装。加えて、アジアやイタリアンなどさまざまなジャンルの料理。
そんなこだわりあるお店は、どのように作り上げちれたのでしょうか。
その経緯やお店に込めた思いを、前田さんにインタビュー。前編・後編の2回に分けてお届けします。
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コトスタイルと共に理想を追求
温かくて落ち着いた空間のスタイリッシュな定食屋
——山科の駅前でお店をしようと思ったきっかけは何でしょうか?
前田さん:
生まれも育ちも山科で、地元でお店を持ちたいと思って物件を探していたのですが、なかなか思うような物件が見つからず、ダメもとで駅前を歩いているときにたまたま見つけた物件がここでした。
19歳で本格的に飲食店で働きはじめて、30歳までにではお店を出すと決めていました。
コロナ前に一度チャンスがあったんですけど、コロナもあって時期を見送り、今だと思って、29歳ぎりぎりでオープンしました。
——夢が叶っていますね!!
ではいろいろとお伺いしたいのですが、コトスタイルのことはご存じでしたか?
前田さん:
2022年の7月ぐらいにお店をすると決めたのですが、その前から施工会社をいろいろと調べていて、コトスタイルさんのことも知っていました。
実は資料も取り寄せをしていたんです。コトスタイルさんは物件探しからデザイン、施工まで一貫してやってくれるので、いいなと思いました。
一度相談させてもらうと、担当の方もとてもいい方で、この人にお願いしたいと思って、今に至ります。
——お店に入った時の印象が落ち着いた雰囲気だと感じました。席数が4席でとてもコンパクトですよね。
前田さん:
1人でお店をするつもりだったので、ちゃんと目が届き、1人で管理ができるスペースがいいなと思っていました。なので4席がちょうどいいですね。多いときは椅子を足して5席にまで増やすことができます。
——理想のスペースだったんですね。お店のイメージはどんな感じにしたいと思っておられましたか?
前田さん:
温かくて、落ち着くお店にしたいなと思っていました。
カウンター越しの接客が好きなので、料理をしながら接客ができて、なおかつ、そばで調理しているライブ感といいますか、お客様とも一体感を感じてられる、そんなお店にしたかったんです。
——壁の深めのグレーの色味も、落ち着いた雰囲気を演出してくれていますね。
どのように色や質感を決められたのですか?
前田さん:
お客様からの反応もよくて、よく褒めてもらっています。
定食屋さんのイメージは少し大衆的なところがありますが、このお店はおしゃれで、温かみがあって落ち着いた空間にしたかったので、壁の色味もそれを踏まえて考えました。以前働いていたお店の壁が白のような薄いグレーだったので、それを担当者さんに見てもらってイメージを共有しました。
そうすると、職人さんが塗り上げたような手作り感のあるモルタルの壁紙を提案してもらったんです。
——たしかに従来の定食屋さんのイメージとはいい意味で違いますね。
メニューにもナシゴレンがあったり、ジャンルもさまざまですね!
前田さん:
和食が一番長いのですが、それまでにもさまざまなジャンルの料理を経験してきてきました。洋食、イタリアン、フレンチ、懐石、和洋折衷など、いろんなジャンルを経験してきたことが自分の強みだと思ったので、それを活かして、型にはまらないお店をしたいという思いがありました。
一番人気の料理はナシゴレン。ナポリタンや甘口チキンカレー、油淋鶏、その他週替わりメニューもあります。またなるべくフードロスをしないよう、定食を小鉢にしたり、食材の組み合わせを工夫するなど、計画的に作っています。メニューに関しては、オープン当初から試行錯誤してやっており、最近では新たにテイクアウトも始めました。
——とても素敵です。たしかに前田さんならではですね。この限られたスペースでこれだけ多ジャンルの料理を生み出すキッチンも気になります。
前田さん:
実はこのお店、コトスタイルさんの案件の中で、過去一番の狭さだと言われてまして(笑) 限られたスペースに必要なものを配置し、動きやすくするために、コトスタイルさんに、いくつもの案を出してもらいました。パズルのピースをはめていくような緻密な作業だったと思います。
——過去イチですか!そのコンパクトなキッチンに、たくさんの仕掛けがありそうですね!
後編では、具体的にキッチンのこだわりについてお話を伺います!
後編はこちら▶