2021 年8月30日、紫野にある新大宮商店街にオープンした「リラクゼーションサロン花守」。前回のインタビューでは、物件探しから予算のこと、目に見えない部分のリノベーションについて伺いました。今回は、お客様が過ごすリラクゼーション空間のリノベーションについて。引き続きオーナーの井出さんにお話を聞いていきます。
予算内で理想を叶えるために
アドバイスも手助けもしてもらいながらDIY
——予算が限られていたため、ご自身でもDIY をたくさんされたそうですが。
井出さん:
ええ。ここは元々古い京町家でした。各部屋の壁は古い土壁だったのを、自分たちで漆喰を塗りました。あと、1階の洗面台には、予算の関係でシンプルなパイン材を使ったのですが、出来上がりを見て、自分でタイルを貼ったら可愛いのではと思いつき、ここもDIYで仕上げています。仕事の合間に夜な夜なタイルを貼る作業をして完成させました(笑)
——そうだったんですね! タイル部分も美しく仕上がっているので、素人目には全然分かりません。廊下の床もかわいらしいです。
井出さん:
ありがとうございます。実はここも自分で古材に色を塗って、それを職人さんにはめ込んでもらいました。あと、各部屋の照明も全部購入すると高くついてしまうので、コストダウンのため、いくつかは自分で作っています。部品が売られているので、意外と自分で簡単に作れるんですよ。
——照明器具も自作!それはすごいですね。
井出さん:
元々インテリアが好きで、ドアノブや照明とか、ついついこだわりたくなってしまうんです。1階の部屋の扉も自分で選んだのですが、古建具屋さんまでスタッフの方に着いてきてもらって一緒に選びました。いかにも「和」ではない、ワインレッドの色とこの佇まいがすごく気に入っています。ドアを開けたときに壁に隠れて見えなくなってしまうのがもったいないなと思って、職人さんに開けたときも扉が少し見えるように設置してもらいました。
——なるほど。扉を開けていてもちらりと見えるのがポイントですね。こんな細かな希望まで聞いてもらえるんですね〜。1階の部屋は、表から見たときにカーブになっているのが印象的です。
井出さん:
あれも苦肉の策で(笑)1階部分は当初、土間だった空間を部屋にしているのですが、四角い部屋にすると入口に圧迫感が出てしまうという問題がありました。そんなときスタッフの方から、カーブにしたらどうですか?と提案していただいて。結果的にお店のいい目印になってくれるんじゃないかと思っています!
——お店に入ったときに一番印象的なのが、花柄の壁ですね。
井出さん:
この壁紙を選ぶときも、散々迷いました。たくさんサンプルを見せてくれたのですが、なかなか気に入った柄がなくて。やっと気に入ったのが、ウイリアム・モリスの壁紙だったんです。高いですよって言われたんですが(笑)緑色で花柄の壁紙をずっと探していたので、これだ!と思って。ちょっとガイコツにも見えるような柄が気に入っています。1階は壁は花柄の壁紙、2階の壁は漆喰と、それぞれ全然違う印象になるように仕上げました。
——それぞれの部屋で、また違った雰囲気が楽しめていいですね。
井出さん:
ありがとうございます。
古い物件だったので、排水設備配管のやり変えだけでなく、工事の途中で雨漏りがしてきたり、トラブルも多かったのですが、相談にのってくれるスタッフの方が同世代で話しやすかったこともあり、安心してお任せすることができました。
外観のサッシは出るときに原状回復という条件でお借りしていたので、大幅に変えるには費用がかかる…。サッシ枠は残しながら、なんとか隠すにはどうしからいいかを相談しました。結局、木材で覆うことにして、他のアイテムとのバランスを考えて緑色で塗ってもらうことに。見事に希望を叶えてもらいました。
そんな風に、いろんなことをお願いしてしまって面倒な客だったかもしれませんが(笑)プロ目線でいろんな提案をしていただき、おかげさまで予算内で理想の店舗が完成しました。
——何度も、いろんなやり取りを経て、理想の店舗が完成したんですね。お店を始めたいけど、予算が限られているので、DIYをしながら希望のリノベーションを叶えたいという方の参考にもなると思います。
井出さん、貴重なお話をありがとうございました!